複合材料
母材の中に埋め込まれた短繊維を繊維方向に引っ張ったとき、繊維の中の引張応力の分布として正しいものはどれか。界面は滑らずに一定のせん断応力で荷重を伝えるとする。
- A両端でほぼゼロで、界面のせん断によって端から離れるほど増え、十分長ければ中央部で一定の値になる
- B界面のせん断応力が全長で一定なので、繊維の応力も全長にわたって一様で、繊維の長さによらない
- C端面から直接荷重を受けるので繊維の両端で最大になり、中央に向かって小さくなる
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正解:A. 両端でほぼゼロで、界面のせん断によって端から離れるほど増え、十分長ければ中央部で一定の値になる
繊維の端面からはほとんど荷重が伝わらないので、繊維の応力は端でほぼゼロです。端から離れるにつれ、界面のせん断応力 τ で少しずつ荷重が入り、応力は端からの距離にほぼ比例して増えます。繊維が十分長ければ、ある距離から先は繊維と母材のひずみがそろって応力が一定の最大値になります。この最大値が繊維の引張強さに達するのに必要な長さが臨界繊維長 lc で、端からの距離 lc/2 で強さに達します。繊維が lc よりずっと長ければ、応力の低い端の部分の割合が小さくなり、連続繊維に近い補強効果が得られます。界面のせん断応力が一定なのは繊維の応力が増える割合が一定ということで、応力そのものが一様になるわけではありません。端面から荷重が入って端で最大になるという説明は逆です。