材料科学の用語集

材料科学の学習でよく出てくる基本用語を、分野ごとにまとめました。キーワードで絞り込めます。

基礎

結晶構造とミラー指数5

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原子充填率げんしじゅうてんりつ
原子を剛体球とみなしたとき、単位胞の体積に占める原子の体積の割合。SCは約0.52、BCCは約0.68、FCCとHCPは約0.74。
体心立方格子たいしんりっぽうこうし
立方体の頂点と中心に原子がある結晶構造(BCC)。単位胞の原子は2個、配位数8、充填率約0.68。α鉄、Cr、Wなど。
ミラー指数みらーしすう
結晶の面や方向を表す整数の組。面は各軸との切片の逆数を最小の整数比にして(hkl)と書き、方向は[uvw]と書く。
面心立方格子めんしんりっぽうこうし
立方体の頂点と各面の中心に原子がある結晶構造(FCC)。単位胞の原子は4個、配位数12、充填率約0.74。Cu、Al、Niなど。
六方最密構造ろっぽうさいみつこうぞう
最密充填面をABAB…と積み重ねた結晶構造(HCP)。配位数12、理想的な c/a は約1.633。Mg、Ti、Znなど。
結晶欠陥と拡散5

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拡散係数かくさんけいすう
原子の拡散のしやすさを表す係数Dで、単位はm²/s。温度にアレニウス型 D = D₀exp(−Q/RT) で依存する。
空孔くうこう
結晶の格子点から原子が抜けた点欠陥。平衡濃度は exp(−Q/kT) で温度とともに増え、置換型原子の拡散を担う。
転位てんい
結晶中の原子の並びが線状に乱れた欠陥。転位がすべり面上を動くことで金属は塑性変形する。刃状・らせん・混合転位がある。
バーガースベクトルばーがーすべくとる
転位のまわりを一周する回路の閉じない分のずれを表すベクトル。FCCの完全転位では (a/2)<110>。転位の種類とエネルギーを決める。
フィックの法則ふぃっくのほうそく
拡散の基本法則。第1法則は流束が濃度勾配に比例する J = −D(dC/dx)、第2法則は濃度の時間変化 ∂C/∂t = D(∂²C/∂x²) を表す。
機械的性質と破壊5

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クリープくりーぷ
一定の荷重のもとで、時間とともに変形が進む現象。目安として融点(絶対温度)の0.4倍程度以上で顕著になり、遷移・定常・加速の3段階を経て破断する。
破壊靭性はかいじんせい
き裂のある材料が破壊に抵抗する能力。応力拡大係数の限界値 K_IC(単位 MPa·√m)で表し、K = Yσ√(πa) と比べて破壊を判定する。
疲労限度ひろうげんど
繰り返し荷重を受けても実質的に破断しなくなる応力振幅の限界。炭素鋼では10⁶〜10⁷回付近で現れることが多く、アルミ合金でははっきりしない。
ヤング率やんぐりつ
弾性域での応力とひずみの比 E = σ/ε。原子間の結合で決まり、鋼は約200 GPa、アルミニウムは約70 GPa。熱処理ではほとんど変わらない。
0.2%耐力れいてんにぱーせんとたいりょく
明確な降伏点がない材料で、除荷後に0.2%の永久ひずみが残る応力。弾性域の直線を0.2%平行移動した線と曲線の交点で求める。
材料の熱的性質8

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インバーいんばー
Fe-36%Ni合金。磁気体積効果がふつうの熱膨張を打ち消し、室温付近の線膨張係数が約1×10⁻⁶ K⁻¹ と非常に小さい。
ヴィーデマン・フランツの法則う゛ぃーでまんふらんつのほうそく
金属の熱伝導率κと電気伝導率σの比が絶対温度に比例し κ = LσT になるという法則。L はローレンツ数で約2.44×10⁻⁸ W·Ω/K²。
ウムクラップ過程うむくらっぷかてい
運動量の和が逆格子ベクトルの分だけ変わるフォノンどうしの散乱。熱流を打ち消し、高温で絶縁体の熱伝導率が下がる主な原因になる。
線膨張係数せんぼうちょうけいすう
温度が1 K上がったときの長さの変化の割合。原子間ポテンシャルの非調和性から生じ、結合が強く融点の高い材料ほど小さい傾向がある。
デバイ温度でばいおんど
格子振動の最高の振動数をエネルギーで温度に換算した値。これより十分低い温度では格子比熱が T³ に比例し、高温では約3Rに近づく。
デュロン・プティの法則でゅろんぷてぃのほうそく
室温付近の多くの固体元素のモル比熱が約3R(約25 J/(mol·K))になるという法則。高温での格子振動の古典的な極限にあたる。
熱拡散率ねつかくさんりつ
熱伝導率を体積あたりの比熱で割った量 α = κ/(ρc)。温度の変化が材料の中を伝わる速さを表し、単位は m²/s。
フォノンふぉのん
結晶の格子振動を量子化した粒子のようなもの。絶縁体の熱伝導と比熱を担い、電子の散乱の原因にもなる。

組織と相変態

状態図とてこの規則5

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ギブスの相律ぎぶすのそうりつ
平衡状態での自由度Fを成分数Cと相の数Pから F = C − P + 2 で与える法則。圧力一定の凝縮系では F = C − P + 1 を使う。
共晶反応きょうしょうはんのう
冷却時に液相から2つの固相が同時に晶出する反応 L → α + β。二元系では一定温度・一定組成で起こり、層状などの共晶組織ができる。
共析反応きょうせきはんのう
冷却時に1つの固相から2つの固相が同時に生じる反応。鋼では0.76 wt%C、727℃で γ → α + Fe₃C が起こりパーライトができる。
てこの規則てこのきそく
状態図の2相領域で、各相の質量分率をタイライン上の距離の比から求める規則。相の分率は合金組成から反対側の相までの距離に比例する。
パーライトぱーらいと
鋼の共析反応でできる、フェライトとセメンタイトが交互に層状に並んだ組織。冷却が速いほど層の間隔が細かくなり硬くなる。
熱処理と金属材料5

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析出硬化せきしゅつこうか
溶体化処理・急冷・時効によって微細な析出物を分散させ、転位の運動を妨げて強化する方法。Al-Cu合金などで使われ、時効が長すぎると過時効で軟化する。
ホール・ペッチの関係ほーるぺっちのかんけい
降伏応力が結晶粒径dの平方根に反比例して増える関係 σy = σ₀ + k/√d。粒界が転位の運動を妨げるため、結晶粒が細かいほど強くなる。
マルテンサイトまるてんさいと
オーステナイトを急冷したとき、拡散を伴わないせん断型の変態でできる組織。鋼では炭素を過飽和に固溶した体心正方晶で、非常に硬い。
焼入れ性やきいれせい
焼入れでマルテンサイトが得られる深さ(焼きの入りやすさ)。Mn、Cr、Moなどの合金元素でTTT線図のノーズが長時間側へ移ると高くなる。
焼戻しやきもどし
焼入れした鋼をA1点(727℃)より低い温度に再加熱する熱処理。硬さを少し下げる代わりに、靭性を回復させ内部応力を減らす。
材料の加工と接合8

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インベストメント鋳造いんべすとめんとちゅうぞう
ろうの模型を耐火物で覆って固め、ろうを溶かし出した鋳型に注湯する精密鋳造法。ロストワックス法ともいい、タービンブレードなどに使う。
鋭敏化えいびんか
ステンレス鋼が約500〜800℃に加熱され、粒界にCr炭化物が析出してそのまわりのCrが欠乏し、粒界腐食を起こしやすくなる現象。
押出しおしだし
コンテナに入れたビレットをラムで押し、ダイの穴から押し出して、断面が一定の長い製品をつくる塑性加工。アルミニウムの形材が代表例。
スプリングバックすぷりんぐばっく
曲げなどの加工後に荷重を除いたとき、弾性回復で形が戻る現象。降伏応力が高くヤング率が低い材料ほど大きい。
炭素当量たんそとうりょう
鋼の合金元素が焼入れ性を高める効果を炭素量に換算して合計した値。Ceqが高い鋼ほど溶接熱影響部が硬化し、低温割れが起こりやすい。
熱間静水圧プレスねっかんせいすいあつぷれす
高温で不活性ガスにより全方向から等しく高圧をかけ、粉末を緻密化したり、鋳物や焼結体の内部の閉じた気孔をなくしたりする方法。HIP。
引け巣ひけす
鋳物で、凝固の体積収縮を溶湯で補えなかった部分にできる空洞。最後に凝固する厚肉部に生じやすく、押湯と凝固の順序の設計で防ぐ。
溶接熱影響部ようせつねつえいきょうぶ
溶接で溶けなかったが、溶接の熱で組織や性質が変わった母材の部分。HAZともいう。硬化、軟化、粗粒化、鋭敏化などが起こる。
材料の熱力学8

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エリンガム図えりんがむず
酸化物などの生成の標準ギブスエネルギー変化を、O₂ 1 molあたりにそろえて温度に対して描いた図。下にある線の金属ほど安定な酸化物をつくる。
化学ポテンシャルかがくぽてんしゃる
成分を1 mol加えたときの系のギブスエネルギーの増え方(部分モルギブスエネルギー)。相平衡では、各成分の化学ポテンシャルがすべての相で等しくなる。
活量かつりょう
溶液や固溶体の中の成分の熱力学的な実効濃度で、μ = μ° + RT ln a を満たす量。純物質を1とし、理想溶液ではモル分率に等しい。
ギブスエネルギーぎぶすえねるぎー
G = H − TS で定義される状態量。温度と圧力が一定の条件では、Gが減る向きに変化が自発的に進み、Gが最小の状態が平衡になる。
混合エントロピーこんごうえんとろぴー
原子の並べ方の数が混合で増えて生じるエントロピー。理想溶液では −R[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] で、x = 0.5 で最大になる。
スピノーダル分解すぴのーだるぶんかい
自由エネルギー曲線が上に凸の組成で、組成の揺らぎが核生成の障壁なしに成長して2相に分かれる相分離。上り坂拡散で周期的な組織ができる。
正則溶液せいそくようえき
混合のエントロピーは理想溶液と同じとし、混合のエンタルピーを Ωx(1 − x) とした溶液のモデル。Ωが正だと、低温で溶解度ギャップが現れる。
平衡酸素分圧へいこうさんそぶんあつ
金属とその酸化物が平衡に共存する酸素分圧。ΔG° = RT ln pO₂ で求まり、雰囲気の酸素分圧がこれより高いと金属が酸化され、低いと酸化物が還元される。

材料の種類

セラミックス・ガラス5

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圧電効果あつでんこうか
応力を加えると分極が生じ、逆に電界を加えると変形する現象。対称中心のない結晶で起こり、水晶やPZTがセンサーや振動子に使われる。
焼結しょうけつ
粉末の成形体を融点より低い高温で加熱し、粒子どうしを結合させて緻密化させる工程。表面エネルギーの低下が駆動力。
ペロブスカイト構造ぺろぶすかいとこうぞう
ABO₃型の結晶構造。Bサイトの陽イオンが酸素八面体の中心(配位数6)、Aサイトがそのすき間(配位数12)に入る。BaTiO₃など。
変態強化へんたいきょうか
部分安定化ジルコニアで、き裂先端の応力により正方晶が単斜晶へ変態し、その体積膨張がき裂を閉じて靭性を高める仕組み。
ワイブル係数わいぶるけいすう
ワイブル分布で強度のばらつきの小ささを表す係数m。大きいほどばらつきが小さく、セラミックスでは5〜20程度、金属では数十以上。
高分子・複合材料5

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ガラス転移温度がらすてんいおんど
非晶質の物質や高分子の非晶部で、分子や原子の運動が凍結され、ガラス状とゴム状(過冷却液体)が切り替わる温度。Tgと書く。
結晶化度けっしょうかど
結晶性高分子の中で結晶部が占める割合。密度、DSCの融解熱、XRDなどから求め、高いほど密度・弾性率が上がり透明性は下がる。
熱硬化性樹脂ねつこうかせいじゅし
硬化反応で3次元の網目構造をつくり、硬化後は加熱しても溶融しない樹脂。エポキシ樹脂やフェノール樹脂など。
粘弾性ねんだんせい
弾性体のような性質と粘性流体のような性質をあわせもつこと。高分子では応力緩和やクリープとして現れ、時間と温度に依存する。
複合則ふくごうそく
複合材料の性質を構成材料の性質と体積分率から見積もる式。繊維方向は等ひずみの E = VfEf + VmEm、垂直方向は等応力の式で近似する。
電子・磁性・光学材料5

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間接遷移型半導体かんせつせんいがたはんどうたい
伝導帯の底と価電子帯の頂上の結晶運動量が異なる半導体。発光再結合にフォノンが必要で発光効率が低い。シリコンやゲルマニウム。
キュリー温度きゅりーおんど
強磁性体(や強誘電体)が自発磁化(自発分極)を失う温度。これより高温で常磁性になる。鉄は約770℃、ニッケルは約358℃。
軟磁性材料なんじせいざいりょう
保磁力が小さく、ヒステリシス損の少ない磁性材料。電磁鋼板、フェライト、アモルファス合金などで、変圧器やモーターの鉄心に使う。
保磁力ほじりょく
磁化した磁性体の磁化(または磁束密度)を0に戻すのに必要な逆向きの磁界の強さ。小さいものは軟磁性、大きいものは硬磁性材料。
マティーセンの規則まてぃーせんのきそく
金属の抵抗率が、格子振動による温度依存の成分と、不純物や欠陥による温度によらない成分の和で表されるという経験則。
金属材料と合金8

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黄銅おうどう
銅に亜鉛を加えた合金で、真鍮ともいう。Zn約30%の7-3黄銅はα相単相で延性が大きく、約40%の6-4黄銅はβ相を含み強度が高い。
回復かいふく
冷間加工した金属を加熱したとき、再結晶の前に転位の消滅や再配列が起こり、内部応力や電気抵抗が下がる過程。硬さはあまり変わらない。
加工硬化かこうこうか
塑性変形で転位が増えて互いに絡み合い、変形に必要な応力が高くなる現象。強度は上がるが延性は下がる。ひずみ硬化ともいう。
固溶強化こようきょうか
母相に溶け込んだ溶質原子がつくる格子ひずみが転位の運動を妨げ、金属の強度を高める強化法。侵入型と置換型がある。
再結晶さいけっしょう
加工ひずみを蓄えた金属を加熱したとき、ひずみのない新しい結晶粒が生まれて成長する現象。強度が下がり延性が回復する。
ステンレス鋼すてんれすこう
Crをおよそ11%以上含み、表面の不動態皮膜でさびにくくした合金鋼。組織によりオーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系などに分かれる。
チタン合金ちたんごうきん
密度が鋼の約6割と軽く、比強度と耐食性に優れた合金。HCPのα相とBCCのβ相の割合で、α型、α+β型、β型に分かれる。
柱状晶ちゅうじょうしょう
鋳物の凝固で、表面のチル晶の内側に、熱が逃げる向きと逆向きに細長く伸びる結晶粒。中心部には等軸晶ができる。
電池・エネルギー材料8

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オリビン型構造おりびんがたこうぞう
かんらん石と同じ構造で、正極のLiFePO₄がとる。PO₄の強い共有結合で熱的に安定だが、Li⁺の拡散は1次元で電子伝導性も低い。
固体高分子形燃料電池こたいこうぶんしけいねんりょうでんち
スルホン酸基をもつ高分子膜を電解質とし、水を含んだ膜でプロトンを通す燃料電池。PEFCと書き、膜の乾燥を防ぐため加湿し、約80℃で作動する。
固体電解質こたいでんかいしつ
固体のままイオンを通し、電子はほとんど通さない材料。全固体電池の硫化物系・酸化物系や、燃料電池の安定化ジルコニアなどがある。
ショックレー・クワイサー限界しょっくれーくわいさーげんかい
単接合の太陽電池の理論効率の上限。バンドギャップ未満の光の透過と熱化損失の兼ね合いで、地上の太陽光では約1.34 eVで最大約33%になる。
スピネル型構造すぴねるがたこうぞう
AB₂O₄ の組成で、酸素の立方最密充填の四面体と八面体の位置に陽イオンが入る構造。正極のLiMn₂O₄は3次元のLi⁺の通り道をもつ。
層状岩塩型構造そうじょうがんえんがたこうぞう
酸素の最密充填の中で、Liの層と遷移金属の層が交互に並ぶ構造。LiCoO₂やLiNiO₂系の正極がとり、Li⁺は層の間を2次元的に動く。
熱電性能指数ねつでんせいのうしすう
熱電材料の変換性能を表す無次元の値 ZT = S²σT/κ。ゼーベック係数と電気伝導率が高く、熱伝導率が低いほど大きい。
理論容量りろんようりょう
電極材料が蓄えられる電気量の上限を質量あたりで表した値。Q = nF/(3.6M) mAh/g で求め、黒鉛は372 mAh/gになる。
複合材料8

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疑似等方積層ぎじとうほうせきそう
[0/±45/90]ₛ のように、繊維の向きを等しい角度で分けた層を重ねた積層。面内のヤング率がどの方向でもほぼ等しくなるが、厚さ方向は弱いまま。
金属基複合材料きんぞくきふくごうざいりょう
アルミニウムなどの金属を母材とし、SiC粒子や繊維で強化した複合材料(MMC)。剛性と耐摩耗性を高め、熱膨張を小さくできる。
CFRP(炭素繊維強化プラスチック)しーえふあーるぴー
炭素繊維をエポキシ樹脂などで固めた複合材料。密度が小さくヤング率と強度が高いので比剛性に優れ、航空機や自動車、スポーツ用品に使われる。
GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)じーえふあーるぴー
ガラス繊維を樹脂で固めた複合材料。CFRPより剛性は低いが安価で、電気絶縁性と電波の透過性があり、船体や浴槽、プリント基板などに使われる。
シランカップリング剤しらんかっぷりんぐざい
無機物と結合する基と、樹脂と反応する基を1分子にもつ化合物。ガラス繊維の表面処理に使い、界面の接着と耐水性を高める。
セラミックス基複合材料せらみっくすきふくごうざいりょう
SiCなどのセラミックスを母材とし、セラミックス繊維で強化した複合材料(CMC)。弱い界面で繊維を引き抜かせて、急に壊れない性質を得る。
層間はく離そうかんはくり
積層板の層と層の間の樹脂や界面が割れて、層がはがれる損傷。厚さ方向の強さが低いために起こり、衝撃で内部に生じると外から見つけにくい。
臨界繊維長りんかいせんいちょう
短繊維の中央の応力が界面のせん断で繊維の引張強さに達するのに必要な長さ。lc = σf·d/(2τc) で表され、これより短い繊維は引き抜けてしまう。
ナノ材料8

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カーボンナノチューブかーぼんなのちゅーぶ
グラフェンを筒状に巻いた直径約1 nm〜数十nmの炭素の材料。巻く向き(カイラル指数)で金属的にも半導体的にもなり、軸方向の強さが非常に高い。
グラフェンぐらふぇん
炭素原子がsp²結合で蜂の巣状に並んだ単原子層。バンドギャップがほぼゼロで電子の移動度が高く、両面の理論比表面積は約2630 m²/g。
ゼータ電位ぜーたでんい
液中の粒子とともに動く層の外側のすべり面の電位。絶対値が大きいほど粒子どうしの静電反発が強く、分散が安定する。等電点ではほぼゼロになる。
ナノ粒子の融点降下なのりゅうしのゆうてんこうか
ナノ粒子で、表面エネルギーの寄与により融点がバルクより下がる現象。融点の低下量はおおよそ粒径に反比例し、数nmの粒子で顕著になる。
BET法びーいーてぃーほう
低温で窒素などの気体を粉末に物理吸着させ、吸着等温線にBET式を当てはめて単分子層の吸着量から比表面積を求める方法。
比表面積ひひょうめんせき
粉末や多孔体の単位質量あたりの表面積で、単位は m²/g。球形の粒子では S = 6/(ρd) となり、粒径に反比例して大きくなる。
ボトムアップ法ぼとむあっぷほう
原子や分子を核生成と成長で組み上げてナノ材料をつくる方法。液相の還元・熱分解、ゾル-ゲル法、CVDなど。大きな材料を砕くトップダウン法と対になる。
量子ドットりょうしどっと
電子と正孔を3次元的に閉じ込める数nmの半導体ナノ結晶。閉じ込めエネルギーはおおよそ粒径の2乗に反比例し、粒径で発光波長を調整できる。
磁性材料8

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渦電流損失うずでんりゅうそんしつ
交流で磁束が変化するとき、磁性体の中に誘導される渦電流のジュール熱による損失。板厚と周波数の2乗に比例し、抵抗率に反比例する。
結晶磁気異方性けっしょうじきいほうせい
結晶の方向によって磁化のしやすさが異なる性質。鉄では<100>が磁化容易軸。大きいと保磁力が高くなり、小さいと透磁率が高くなる。
最大エネルギー積さいだいえねるぎーせき
永久磁石の減磁曲線上で、磁束密度Bと磁界Hの積の大きさが最大になる値(BH)max。単位はkJ/m³で、磁石の強さの指標になる。
磁区じく
強磁性体やフェリ磁性体の中で、磁化の向きがそろっている小さな領域。表面の磁極による静磁エネルギーを下げるために、多数の磁区に分かれる。
磁壁じへき
隣り合う磁区の境界で、磁気モーメントの向きが少しずつ回転して変わる遷移層。交換エネルギーと異方性エネルギーの釣り合いで厚さが決まる。
超常磁性ちょうじょうじせい
ごく小さな強磁性粒子で、磁化反転の障壁KVが熱エネルギーに比べて小さく、磁化が熱で反転して保磁力がほぼ0になる状態。
フェリ磁性ふぇりじせい
反平行に並ぶ2種類の副格子の磁気モーメントの大きさが異なり、差の分だけ自発磁化が残る磁性。マグネタイトなどのフェライトが代表例。
飽和磁化ほうわじか
強い磁界をかけて磁気モーメントがすべて同じ向きにそろったときの磁化。鉄では約1.7×10⁶ A/m(µ₀Msで約2.2 T)で、温度が上がると減る。
生体材料8

この分野の問題 →

応力遮蔽おうりょくしゃへい
骨よりはるかに硬いインプラントが荷重の大部分を受け持ち、周りの骨への力学的な刺激が減って、骨が吸収されてやせる現象。ストレスシールディングとも呼ぶ。
オッセオインテグレーションおっせおいんてぐれーしょん
生きた骨とインプラントの表面が、線維性の組織を挟まずに直接接触し、荷重を伝えられる状態。チタンの歯科用インプラントで見いだされた。
骨セメントこつせめんと
PMMA の粉末とメタクリル酸メチルの液を混ぜ、体内で重合させて人工関節を骨に固定する材料。接着ではなく、すき間を埋めて機械的にかみ合うことで固定する。
生体適合性せいたいてきごうせい
特定の用途で、適切な生体の反応を伴いながら、求められる機能を果たす材料の能力。材料だけでなく、形や表面の状態、使う場所も含めて評価する。
生分解性高分子せいぶんかいせいこうぶんし
体内や環境の中で、加水分解や微生物の働きによって分解される高分子。ポリ乳酸やポリグリコール酸は、吸収性の縫合糸や骨固定材に使われる。
超弾性ちょうだんせい
逆変態終了温度より高い温度で、応力誘起マルテンサイト変態とその逆変態によって、数%の大きなひずみが除荷で元に戻る性質。Ni-Ti 合金が代表。
ハイドロキシアパタイトはいどろきしあぱたいと
Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂ で表されるリン酸カルシウム。骨や歯の無機成分に近く、骨と直接結合する生体活性セラミックスとして使われる。Ca/P比は1.67。
β型チタン合金べーたがたちたんごうきん
Nb、Ta、Mo などのβ安定化元素を多く含み、室温でもBCCのβ相をもつチタン合金。ヤング率が低く、生体用では応力遮蔽を減らせる。
ガラスと非晶質材料8

この分野の問題 →

網目形成酸化物あみめけいせいさんかぶつ
SiO₂、B₂O₃、P₂O₅のように、陽イオンが酸素の多面体をつくって頂点を共有し、単独でもガラスの網目をつくる酸化物。
網目修飾酸化物あみめしゅうしょくさんかぶつ
Na₂O、K₂O、CaOなど、ガラスの網目の橋かけを切って非架橋酸素をつくり、陽イオンが網目のすき間に入る酸化物。粘度を下げる。
アモルファスシリコンあもるふぁすしりこん
長距離の周期性をもたないシリコン。水素で未結合手を終端したa-Si:Hは、薄膜トランジスタや薄膜太陽電池に使われる。
化学強化ガラスかがくきょうかがらす
ガラスの表層のNa⁺を溶融塩の中で大きなK⁺と交換し、表層に大きな圧縮応力を入れて強くしたガラス。薄い板にも使える。
換算ガラス転移温度かんさんがらすてんいおんど
ガラス転移温度Tgを液相線温度Tlで割った値 Trg = Tg/Tl。大きいほど融液がガラスになりやすく、約2/3以上が目安とされる。
強化ガラスきょうかがらす
加熱した板ガラスを空気で急冷し、表面に圧縮、内部に引張の応力を残して強くしたガラス。割れると細かい粒に砕ける。
金属ガラスきんぞくがらす
金属の融液を結晶化させずに固めた非晶質の合金。転位がなく、強度と弾性ひずみの限界が大きい。厚いものをバルク金属ガラスと呼ぶ。
非架橋酸素ひかきょうさんそ
ガラスの網目で、網目をつくる陽イオン1個とだけ結合し、隣の多面体とつながっていない酸素。修飾酸化物を加えると増える。

評価・先端

薄膜・表面・ナノ材料5

この分野の問題 →

オストワルド成長おすとわるどせいちょう
小さな粒子が溶けて消え、大きな粒子が成長して粒子が粗大化する現象。曲率による溶解度の差(ギブス・トムソン効果)が駆動力。
ストランスキー・クラスタノフ成長すとらんすきーくらすたのふせいちょう
数原子層の層状成長のあと、格子不整合によるひずみを緩和するために3次元の島が成長する薄膜の成長様式。量子ドットの作製に使われる。
熱応力ねつおうりょく
熱膨張の差によって生じる応力。基板上の薄膜では σ = EΔαΔT/(1 − ν) で見積もり、膜の膨張係数が大きいと冷却後は引張になる。
量子サイズ効果りょうしさいずこうか
粒子や膜が電子の波の広がりと同じ程度に小さくなると、エネルギー準位がとびとびになりバンドギャップが広がる効果。量子ドットの発光色を決める。
臨界核半径りんかいかくはんけい
核生成で、これを超えると成長するほうが安定になる核の半径。球の核では r* = −2γ/ΔGv で、過冷却が大きいほど小さくなる。
材料分析(SEM・TEM・XRD・XPS)8

この分野の問題 →

EDS(エネルギー分散型X線分光法)いーでぃーえす
電子線で励起された特性X線のエネルギーを半導体検出器で測り、元素を分析する方法。全元素を同時に短時間で測れるが、分解能はWDSより低い。
XRD(X線回折)えっくすあーるでぃー
結晶にX線を当て、回折したX線の角度と強度から、結晶相、格子定数、結晶子サイズ、ひずみ、配向などを調べる分析法。
XPS(X線光電子分光法)えっくすぴーえす
X線で放出される光電子の結合エネルギーから、表面の数nmに含まれる元素とその化学結合の状態(酸化数など)を調べる分析法。
シェラーの式しぇらーのしき
XRDのピークの広がりから結晶子サイズを見積もる式 D = Kλ/(β cosθ)。βはラジアンの半値幅、Kは約0.9。
SIMS(二次イオン質量分析法)しむす
一次イオンで試料を削りながら、出てくる二次イオンを質量分析する方法。ドーパントなど微量元素の深さ分布をppm〜ppbの感度で測れる。
消滅則しょうめつそく
原子の配置により特定の指数の回折が打ち消し合って消える規則。BCCは h + k + l が偶数、FCCは h、k、l の偶奇がそろう面だけが回折する。
SEM(走査電子顕微鏡)せむ
細く絞った電子線で試料表面を走査し、出てくる二次電子や反射電子を検出して表面の形状や組成の違いを観察する顕微鏡。
ブラッグの法則ぶらっぐのほうそく
面間隔dの結晶面で回折が強め合う条件 2d sinθ = nλ。XRDのピークの角度から面間隔を求める基本の式。
腐食と表面処理8

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応力腐食割れおうりょくふしょくわれ
感受性のある材料に引張応力がかかり、特定の腐食環境にさらされたとき、降伏応力より低い応力でき裂が進む現象。
ガルバニック腐食がるばにっくふしょく
電位の異なる金属を電解質の中で接触させたとき、卑な金属がアノードとなって腐食が速まる現象。異種金属接触腐食ともいう。
犠牲陽極ぎせいようきょく
守りたい金属より卑な亜鉛、アルミニウム合金、マグネシウムなどを電気的につなぎ、先に溶かして金属をカソードとして防食する陽極。
局部電池きょくぶでんち
1つの金属の表面で、介在物やひずみ、酸素の濃度差などによってアノードとカソードの部分ができ、電池として腐食が進むもの。
孔食こうしょく
塩化物イオンなどが不動態皮膜を局部的に破り、小さな穴が深く掘られていく局部腐食。ステンレス鋼やアルミニウムで問題になる。
標準電極電位ひょうじゅんでんきょくでんい
金属とそのイオンなどの電極反応の平衡電位を、標準状態で標準水素電極を0 Vとして表した値。負に大きいほど酸化されやすい。
ファラデーの法則ふぁらでーのほうそく
電極反応で変化する物質の量は流れた電気量に比例するという法則。溶解や析出の質量は m = ItM/(nF) で求まる。
不動態ふどうたい
金属の表面に厚さ数nm程度の緻密な酸化皮膜ができ、熱力学的には溶けるはずの金属の溶解がほとんど止まった状態。
材料選択と設計7

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材料選択図(アシュビーの図)ざいりょうせんたくず
ヤング率と密度など2つの性質を両対数の軸にとり、材料群ごとの範囲を描いた図。性能指数が一定の線が直線になり、候補の比較に使う。
材料選択の性能指数ざいりょうせんたくのせいのうしすう
材料選択で最大にすべき材料の性質の組み合わせ。剛性で決まるタイは E/ρ、梁は √E/ρ、板は ∛E/ρ、強さで決まるタイは σf/ρ になる。
トランプエレメントとらんぷえれめんと
鉄スクラップに混入し、精錬で除きにくく再生のたびに鋼中に蓄積する銅や錫などの元素。熱間加工での表面割れなど品質低下の原因になる。
破壊前降伏はかいぜんこうふく
き裂があっても部材全体が先に降伏し、急な脆性破壊が起こらない状態。許されるき裂の大きさは (K_IC/σy)² に比例し、K_IC/σy が性能指数になる。
パレート最適ぱれーとさいてき
複数の目的のどれかを良くすると、ほかの目的が必ず悪くなる状態。競合する目的の候補はパレート前線の上から交換定数を使って選ぶ。
比剛性ひごうせい
ヤング率を密度で割った値 E/ρ。比弾性率ともいう。鋼、アルミニウム合金、チタン合金はいずれも約25 GPa/(g/cm³)前後でほぼ同じ。
ライフサイクルアセスメントらいふさいくるあせすめんと
材料の製造、製品の製造、使用、廃棄・リサイクルの各段階のエネルギー消費や環境負荷を定量的に評価する手法(LCA)。
破壊力学と疲労8

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エネルギー解放率えねるぎーかいほうりつ
き裂が単位面積だけ進むときに解放される弾性エネルギー。G で表し、平面応力では G = K²/E。臨界値 G_c に達するとき裂が進む。
応力拡大係数おうりょくかくだいけいすう
き裂先端の応力場の強さを表す量。K = Yσ√(πa) で、応力とき裂長さの両方で決まり、臨界値に達するとき裂が不安定に進む。
応力集中係数おうりょくしゅうちゅうけいすう
穴や切欠きの底の最大応力が、平均の応力の何倍かを表す数 Kt。楕円孔では 1 + 2√(a/ρ) で、円孔では3になる。
グリフィスの理論ぐりふぃすのりろん
き裂が伸びて解放される弾性エネルギーが新しい表面のエネルギーを上回ると破壊が進むとする理論。破壊応力は √(2Eγs/(πa)) で表される。
修正グッドマン線図しゅうせいぐっどまんせんず
平均応力の影響を表す図。両振りの疲労限度と引張強さを直線で結び、σa = σw(1 − σm/σB) を許される応力振幅の目安とする。
ストライエーションすとらいえーしょん
疲労き裂が進んだ破面に見られる細かい縞。間隔はおおよそ1サイクルあたりのき裂の進展量に対応し、電子顕微鏡で観察する。
パリス則ぱりすそく
疲労き裂の進展速度が応力拡大係数の範囲の累乗に比例するという経験則 da/dN = C(ΔK)ᵐ。き裂の進展寿命の見積もりに使う。
マイナー則まいなーそく
異なる応力振幅での損傷を、回数と寿命の比 n/N の和で足し合わせ、その和が1になると疲労破壊するとみなす規則。
表面処理とトライボロジー8

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アーチャードの摩耗式あーちゃーどのまもうしき
摩耗体積Vが垂直荷重Wとすべり距離Lに比例し、硬さHに反比例するとする式 V = KWL/H。Kは摩耗係数で、摩耗の機構で大きく変わる。
アブレシブ摩耗あぶれしぶまもう
硬い粒子や相手面の硬い突起が、軟らかい表面をひっかいて削り取る摩耗。表面を粒子より硬くすると大きく減る。
凝着摩耗ぎょうちゃくまもう
真実接触点で金属どうしが結合し、すべりで凝着部がせん断されて、材料が相手に移ったりはがれたりする摩耗。焼付きの原因になる。
真実接触面積しんじつせっしょくめんせき
表面の突起どうしが実際に触れている部分の面積。突起が塑性変形するときは荷重を硬さで割った値になり、見かけの接触面積よりはるかに小さい。
浸炭しんたん
低炭素鋼をオーステナイト域で炭素を含む雰囲気に置き、表層の炭素量を高める処理。焼入れで表層を硬いマルテンサイトにする。
ストライベック曲線すとらいべっくきょくせん
すべり軸受などの摩擦係数を、粘度×速度÷面圧の軸受特性数に対して描いた曲線。境界潤滑、混合潤滑、流体潤滑の移り変わりを表す。
窒化処理ちっかしょり
鋼をA₁変態点より低い温度で窒素を含む雰囲気に置き、表層に硬い窒化物をつくる処理。焼入れがいらず、ひずみが小さい。
無電解ニッケルめっきむでんかいにっけるめっき
電源を使わず、還元剤で自己触媒的にニッケルを析出させるめっき。りんを含み、複雑な形の部品にも均一な厚さでつく。
高温材料とクリープ8

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拡散クリープかくさんくりーぷ
原子の拡散で結晶粒が伸びて進むクリープで、速度は応力に比例する。体拡散によるナバロ・ヘリングクリープと、粒界拡散によるコブルクリープがある。
酸化の放物線則さんかのほうぶつせんそく
酸化皮膜の厚さの2乗が時間に比例して増える関係 x² = k_p t。緻密な皮膜の中のイオンの拡散が成長の速さを決めるときに成り立つ。
遮熱コーティングしゃねつこーてぃんぐ
高温部品の表面に施す、熱伝導率の低いセラミックスの被膜。ジルコニアのトップコートとボンドコートからなり、金属の温度を大きく下げる。
Ni基超合金にっけるきちょうごうきん
NiのFCCの母相に、L1₂型の規則相γ'(Ni₃Al)を多量に整合析出させた耐熱合金。タービン翼などに使われ、融点に近い温度まで強度を保つ。
ピリング・ベドワース比ぴりんぐべどわーすひ
酸化物の体積と、それをつくるのに使われた金属の体積の比。1より小さいと皮膜が割れやすく、1〜2程度で保護的になりやすいとされる目安。
べき乗則クリープべきじょうそくくりーぷ
定常クリープ速度が応力のn乗(nは3〜8程度)に比例するクリープ。転位のすべりと上昇運動による回復が組み合わさって起こり、高い応力で支配的になる。
変形機構図へんけいきこうず
規格化した応力と相同温度を軸に、最も速く変形させる機構(転位のすべり、べき乗則クリープ、拡散クリープなど)の領域を示した図。
ラーソン・ミラー・パラメータらーそんみらーぱらめーた
クリープ破断の温度と時間をまとめた値 P = T(C + log₁₀t_r)。同じ応力では一定とみなし、短時間の試験から長時間の寿命を見積もる。
計算材料科学8

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CALPHAD法かるふぁどほう
各相のギブスエネルギーを温度と組成の関数でモデル化し、実験値などに合わせたデータベースから、多元系の状態図や相の分率を計算する方法。
原子間ポテンシャルげんしかんぽてんしゃる
原子の配置からエネルギーと力を与える関数。レナード・ジョーンズ型、金属の埋め込み原子法、共有結合用、機械学習ポテンシャルなどがある。
フェーズフィールド法ふぇーずふぃーるどほう
相や結晶方位を表す秩序変数が界面でなめらかに変わるとして、自由エネルギーが減る向きに組織の時間変化を計算する方法。凝固や析出に使う。
分子動力学法ぶんしどうりきがくほう
原子間ポテンシャルから求めた力で、多数の原子のニュートンの運動方程式を数値積分し、原子の動きを時間を追って計算する方法。
マテリアルズ・インフォマティクスまてりあるずいんふぉまてぃくす
材料のデータを機械学習などで解析し、性質の予測や次に試す材料の選択に役立てる方法。計算や実験と組み合わせて材料開発を速める。
密度汎関数理論みつどはんかんすうりろん
基底状態のエネルギーが電子密度で決まることを使い、コーン・シャム方程式を解いて物質の電子状態とエネルギーを求める理論。第一原理計算の中心。
モンテカルロ法もんてかるろほう
乱数を使った確率的な試行をくり返して答えを求める方法。材料では、メトロポリス法による平衡状態の計算や、拡散を追うキネティック・モンテカルロ法がある。
有限要素法ゆうげんようそほう
物体を小さな要素に分け、節点の変位などを未知数とする連立方程式を解いて、応力や温度の分布を近似的に求める数値計算法。