材料選択と設計

アシュビーの材料選択図、軽くて剛い梁や軽くて強いタイの性能指数、コストと環境負荷の比較、破壊を避ける材料の選び方、リサイクル性を3択問題で学べます。質量やコストの比較の計算も練習できます。

10問練習するこの分野からランダムに10問・約5分 この分野を解くこの分野の問題をすべて、ランダムな順で出題します 苦手問題直近で間違えた問題だけを解き直します

複合則 →

材料選択と設計の要点

アシュビーの方法では、設計の要求を機能・制約・目的・自由変数に整理し、自由変数を消去して材料の性質だけの組み合わせである性能指数を導きます。剛性で決まるタイは E/ρ、断面を変えられる梁は √E/ρ、厚さを変えられる板は ∛E/ρ、強さで決まるタイは σf/ρ を最大にする材料が有利です。ヤング率と密度の両対数の材料選択図では、性能指数が一定の線が直線になり、候補を一目で比べられます。

実際の選択では、性能だけでなく、1 kgあたりの価格を含めたコスト、製造から廃棄までのエネルギーやCO₂排出量、き裂があっても急に壊れないか(K_IC/σy)も考えます。目的どうしが競合するときは、パレート最適な候補から交換定数で選びます。材料の種類を減らし分解しやすくする設計や、スクラップに混ざる元素の管理は、リサイクル性を高めるうえで欠かせません。

材料選択と設計の問題一覧(12問)

  1. アシュビーの方法で材料を選ぶとき、設計の条件を「機能・制約・目的・自由変数」に整理する。自転車のフレームの材料選びで「目的」にあたるものはどれか。
  2. 長さLが決まっていて、引張荷重Fを降伏せずに支えるタイ(引張材)を、断面積を自由に選べるとして最も軽くつくりたい。材料の降伏強さをσf、密度をρとすると、最大にすべき性能指数はどれか。
  3. 長さと曲げ剛性が決まっている正方形断面の梁を、断面の大きさを自由に変えて最も軽くつくりたい。ヤング率をE、密度をρとすると、最大にすべき性能指数はどれか。
  4. 縦軸にヤング率E、横軸に密度ρをとった両対数の材料選択図(アシュビーの図)で、軽くて剛い梁の性能指数 √E/ρ が一定になる線(ガイドライン)の傾きはどれか。
  5. 長さと曲げ剛性が同じになるように設計した正方形断面の梁を、鋼(E = 210 GPa、ρ = 7.8 g/cm³)とアルミニウム合金(E = 70 GPa、ρ = 2.7 g/cm³)でつくる。断面の大きさは自由に変えられるとき、アルミニウム合金の梁の質量は鋼の梁の約何倍か。
  6. 長さと引張剛性が決まったタイを、鋼(E = 210 GPa、ρ = 7.8 g/cm³、1 kgあたりの価格を1とする)と、疑似等方積層のCFRP(E = 70 GPa、ρ = 1.6 g/cm³、1 kgあたりの価格は鋼の20倍とする)でつくる。断面積は自由に変えられるとき、CFRPのタイの材料費は鋼のタイの約何倍か。
  7. 降伏応力 σy の応力で使う部材で、降伏より先に脆性破壊が起こらないためのき裂の大きさの上限は a = (1/π)(K_IC/σy)² で見積もれる(形状係数 Y = 1)。鋼(σy = 800 MPa、K_IC = 120 MPa·√m)では、この限界のき裂長さはどれに最も近いか。
  8. 一般的なガソリン乗用車について、材料の製造から廃棄までのライフサイクルで消費されるエネルギーを段階ごとに比べると、最も大きいのはふつうどの段階か。また、そこから導かれる材料選択の方針として適切なものはどれか。
  9. アルミニウム合金の製造エネルギーを、鉱石からつくる新地金では1 kgあたり200 MJ、スクラップを溶かし直す再生地金では1 kgあたり15 MJとする。再生地金を質量で60%含む材料の、1 kgあたりの製造エネルギーはどれに最も近いか。
  10. 鉄スクラップを電気炉で溶かして再生するとき、繰り返すうちに鋼の中にたまりやすく、品質を下げる元素として問題になるもの(トランプエレメント)はどれか。
  11. 製品のリサイクル性を高める材料選択と設計の方針として適切なものはどれか。
  12. 部品の質量とコストという2つの目的を同時に小さくしたいが、軽い材料ほど高価で、両方で最良の材料がない。このような場合の材料の選び方として適切なものはどれか。

評価・先端のほかの分野