材料選択と設計
鉄スクラップを電気炉で溶かして再生するとき、繰り返すうちに鋼の中にたまりやすく、品質を下げる元素として問題になるもの(トランプエレメント)はどれか。
- A銅や錫。鉄より酸化しにくく精錬で除けないため、熱間加工で表面割れ(熱間脆性)を起こす
- B炭素。酸素を吹き込む精錬でも取り除けないので、再生を繰り返すと必ず高炭素鋼になる
- Cアルミニウム。鉄より酸化しにくいので、精錬でスラグに移らず鋼の中に残り続ける
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正解:A. 銅や錫。鉄より酸化しにくく精錬で除けないため、熱間加工で表面割れ(熱間脆性)を起こす
鋼の精錬では、酸素を吹き込んで鉄より酸化しやすい元素を酸化物にし、スラグとして除きます。銅や錫は鉄より酸化しにくいので、この方法では取り除けず、モーターの銅線などがスクラップに混ざると、リサイクルを繰り返すたびに鋼の中に濃縮していきます。熱間圧延の前の加熱では鉄が優先的に酸化されるので、スケールとの界面に銅が濃化し、銅の融点(約1085℃)を超えると液相になって粒界にしみ込み、割れを起こします。錫はこれを助長します。炭素は酸素の吹き込みで一酸化炭素として除けるので、再生しても炭素量は調整できます。アルミニウムは鉄よりはるかに酸化しやすく、むしろ脱酸剤として使われる元素で、精錬でスラグに移ります。トランプエレメントを抑えるには、スクラップの分別や、混ざりの少ない鉄源で薄めることが行われます。