計算材料科学
第一原理計算(DFT)の考え方と限界、分子動力学法と原子間ポテンシャル、モンテカルロ法、CALPHAD法、フェーズフィールド法、有限要素法、マテリアルズ・インフォマティクスを3択問題で学べます。
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計算材料科学の要点
計算材料科学では、扱う空間と時間の規模に応じて手法を使い分けます。電子の状態から出発する第一原理計算(密度汎関数理論、DFT)は、実験値なしに数百個程度の原子の構造やエネルギーを求められますが、近似のためにバンドギャップを小さく見積もるなどの限界があります。原子間ポテンシャルを使う分子動力学法は多数の原子の動きをナノ秒程度まで追い、モンテカルロ法は確率的な試行で平衡状態や長い時間の拡散を扱います。
組織や部品の規模では、連続体の手法が中心になります。CALPHAD法は各相のギブスエネルギーのモデルから多元系の状態図を計算し、フェーズフィールド法は幅のある界面を使って凝固や析出の組織の変化を追います。有限要素法は部品の応力や温度の分布を求めます。さらに、データから性質を予測するマテリアルズ・インフォマティクスが加わり、計算と実験を組み合わせた材料開発が進んでいます。
計算材料科学の問題一覧(15問)
- 材料の計算手法と、ふつうに扱える空間と時間の規模の組み合わせとして最も適切なものはどれか。
- 密度汎関数理論(DFT)の考え方についての説明として正しいものはどれか。
- LDAやGGAの交換相関汎関数を使った標準的なDFT計算の結果の傾向として正しいものはどれか。
- ある金属の108原子のスーパーセル(周期的な境界条件)をDFTで計算すると、全エネルギーは −405.00 eV だった。原子を1個取り除いて空孔を1つつくり、構造を緩和すると −400.10 eV になった。空孔形成エネルギーを E_v = E(N−1) − [(N−1)/N]E(N) で求めるとどれに最も近いか。
- 分子動力学法で、時間刻み2 fsで運動方程式を積分して、1 nsの間の原子の動きを計算したい。必要な時間ステップの数はどれか。
- 分子動力学法で使う原子間ポテンシャルについての説明として正しいものはどれか。
- レナード・ジョーンズ・ポテンシャル V(r) = 4ε[(σ/r)¹² − (σ/r)⁶] で、アルゴンを σ = 0.34 nm として表す。エネルギーが最小になる原子間距離 r₀ はどれに最も近いか。
- 分子動力学法の計算で、単原子の系の原子1個あたりの運動エネルギーの平均が0.0517 eVだった。エネルギー等分配則から求めた系の温度はどれに最も近いか。ボルツマン定数を k = 8.617×10⁻⁵ eV/K とする。
- メトロポリス法のモンテカルロ計算で、原子の位置を試しに動かすと、系のエネルギーが0.10 eV増える。温度1000 Kで、この動きを受け入れる確率はどれに最も近いか。k = 8.617×10⁻⁵ eV/K とする。
- キネティック・モンテカルロ(kMC)法についての説明として正しいものはどれか。
- CALPHAD法についての説明として正しいものはどれか。
- 10種類近くの元素を含むNi基超合金や鋼で、CALPHAD法を使って析出する相とその分率を予測する。その考え方と注意点の組み合わせとして正しいものはどれか。
- フェーズフィールド法についての説明として正しいものはどれか。
- 有限要素法で、穴や切欠きのある部品の弾性応力を計算するときの考え方として正しいものはどれか。
- マテリアルズ・インフォマティクスで、既存の材料のデータから機械学習のモデルをつくり、新しい材料の性質を予測するときの注意として正しいものはどれか。