高温材料とクリープ

クリープ曲線の3段階、べき乗則クリープと拡散クリープ、変形機構図、ラーソン・ミラー・パラメータ、Ni基超合金と単結晶翼、遮熱コーティング、高温酸化と保護皮膜を3択問題で確認できます。

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高温材料とクリープの要点

融点の0.4倍程度を超える高温では、一定の荷重でも時間とともに変形が進むクリープが寿命を決めます。クリープ曲線は遷移・定常・加速の3段階からなり、設計には定常クリープ速度を使います。高い応力では転位の上昇運動を伴うべき乗則クリープ、低い応力では拡散による拡散クリープが主になり、その領域は変形機構図で整理できます。寿命の見積もりには、温度と時間をまとめたラーソン・ミラー・パラメータを使います。

ジェットエンジンのタービン翼には、規則相γ'を多量に析出させたNi基超合金が使われ、粒界をなくした単結晶翼でクリープ強度を高めています。表面は熱伝導率の低いジルコニアの遮熱コーティングで覆い、金属の温度を下げます。高温の酸化では、皮膜の中の拡散が成長を決める放物線則や、ピリング・ベドワース比が保護性の目安になり、Cr₂O₃やAl₂O₃の緻密な皮膜が合金を守ります。

高温材料とクリープの問題一覧(15問)

  1. 一定の荷重と温度のもとで測ったクリープ曲線(ひずみと時間の関係)の3つの段階についての説明として正しいものはどれか。
  2. ある耐熱合金の定常クリープ速度は、べき乗則 ε̇ = Aσⁿexp(−Q/RT) に従い、応力指数は n = 5 である。温度を変えずに応力を20%上げると、定常クリープ速度はおよそ何倍になるか。
  3. 定常クリープ速度が ε̇ = Aσⁿexp(−Q/RT) に従い、活性化エネルギーが Q = 300 kJ/mol の合金がある。応力を変えずに温度を1000 Kから1050 Kに上げると、定常クリープ速度はおよそ何倍になるか。R = 8.314 J/(mol·K) とする。
  4. ある細粒の多結晶金属を、融点(絶対温度)の約0.5倍の温度で、低い応力のもとでクリープ試験した。定常クリープ速度は応力にほぼ比例し(応力指数 n ≈ 1)、結晶粒径の3乗にほぼ反比例していた。主に働いているクリープの機構として最も適切なものはどれか。
  5. アシュビーらの変形機構図(縦軸に剛性率で規格化した応力 σ/G、横軸に相同温度 T/Tm をとった図)についての説明として正しいものはどれか。Tmは融点(絶対温度)とする。
  6. 室温では結晶粒を細かくすると強度が上がる(ホール・ペッチの関係)が、高温で長時間荷重を受ける部品では、粗い結晶粒や単結晶が使われることが多い。その理由として正しいものはどれか。
  7. ある耐熱合金は、ある応力のもとで1000 Kで1000 hでクリープ破断した。ラーソン・ミラー・パラメータ P = T(C + log₁₀t_r)(Tは絶対温度、t_rは破断時間で単位はh、C = 20)が同じ応力では一定とすると、同じ応力で10⁵ hの破断寿命を得るための温度はどれに最も近いか。
  8. Ni基超合金の高温強度を担うγ'相についての説明として正しいものはどれか。
  9. ジェットエンジンのタービン翼に、一方向凝固による柱状晶や単結晶のNi基超合金が使われる理由として正しいものはどれか。
  10. 単結晶のNi基超合金に、レニウム(Re)などの重い元素を数%加える主な狙いとして正しいものはどれか。
  11. ある合金を高温の空気中で酸化させたところ、緻密な酸化皮膜の中の拡散が速さを決める放物線則 x² = k_p t に従い、100 hで皮膜の厚さが2.0 µmになった。同じ温度で900 h酸化させたときの皮膜の厚さはどれに最も近いか。
  12. 金属の酸化皮膜のピリング・ベドワース比(PBR、酸化物の体積と、それをつくるのに使われた金属の体積の比)を PBR = (M_ox ρ_M)/(n M_M ρ_ox) で求める(Mはモル質量、ρは密度、nは酸化物の化学式1つに含まれる金属原子の数)。マグネシウム(24.31 g/mol、1.74 g/cm³)と MgO(40.30 g/mol、3.58 g/cm³、n = 1)について、PBRと皮膜の性質の組み合わせとして正しいものはどれか。
  13. 1000℃を超える高温の空気中で使う耐熱合金の保護皮膜についての説明として正しいものはどれか。
  14. ガスタービンの翼に施す遮熱コーティング(TBC)の構成についての説明として正しいものはどれか。
  15. 遮熱コーティングのトップコート(厚さ250 µm、熱伝導率1.2 W/(m·K))を、1.0 MW/m²の熱流束が厚さ方向に一様に通っている。定常状態の1次元の熱伝導として、トップコートの表と裏の温度差はどれに最も近いか。

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