高温材料とクリープ

アシュビーらの変形機構図(縦軸に剛性率で規格化した応力 σ/G、横軸に相同温度 T/Tm をとった図)についての説明として正しいものはどれか。Tmは融点(絶対温度)とする。

  1. A粒径などを決めて、各応力と温度で最も速く変形させる機構の領域を示した図で、低い応力・高温の側に拡散クリープ、より高い応力にべき乗則クリープがある
  2. B各機構の領域は材料の種類だけで決まる図なので、同じ材料なら結晶粒径を細かくしても粗くしても、拡散クリープとべき乗則クリープの境界はまったく動かない
  3. C低い応力で高温の側ほど転位のすべりの領域が広がり、拡散クリープの領域は、理想強度に近い高い応力で低温の側にだけ現れる
答えと解説を見る

正解:A. 粒径などを決めて、各応力と温度で最も速く変形させる機構の領域を示した図で、低い応力・高温の側に拡散クリープ、より高い応力にべき乗則クリープがある

変形機構図では、各機構の速度式から、ある応力と温度で最も速く変形させる機構を求めて領域を塗り分けます。複数の機構は並行して働くので、最も速いものが支配的になるという考え方です。理想強度に近い高い応力では転位のすべりが、中間の応力の高温では転位の上昇運動を伴うべき乗則クリープが、低い応力の高温では拡散クリープが支配的です。拡散クリープの速度は粒径の2乗や3乗に反比例するので、粒径を細かくすると拡散クリープの領域が広がり、境界は動きます。図には一定のひずみ速度の線も描かれ、使用条件での機構と変形の速さを読み取れます。低い応力の側に転位のすべりを置く説明は、配置を取り違えています。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

高温材料とクリープのほかの問題

  1. 室温では結晶粒を細かくすると強度が上がる(ホール・ペッチの関係)が、高温で長時間荷重を受ける部品では、粗い結晶粒や単結晶が使われることが多い。その理由として正しいものはどれか。
  2. ある耐熱合金は、ある応力のもとで1000 Kで1000 hでクリープ破断した。ラーソン・ミラー・パラメータ P = T(C + log₁₀t_r)(Tは絶対温度、t_rは破断時間で単位はh、C = 20)が同じ応力では一定とすると、同じ応力で10⁵ hの破断寿命を得るための温度はどれに最も近いか。
  3. Ni基超合金の高温強度を担うγ'相についての説明として正しいものはどれか。
  4. ジェットエンジンのタービン翼に、一方向凝固による柱状晶や単結晶のNi基超合金が使われる理由として正しいものはどれか。
  5. 単結晶のNi基超合金に、レニウム(Re)などの重い元素を数%加える主な狙いとして正しいものはどれか。