転位とは
てんい
結晶中の原子の並びが線状に乱れた欠陥。転位がすべり面上を動くことで金属は塑性変形する。刃状・らせん・混合転位がある。
「転位」は、8分野の19問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 熱処理と金属材料, 結晶欠陥と拡散など)。
この用語の分野: 結晶欠陥と拡散
てんい
結晶中の原子の並びが線状に乱れた欠陥。転位がすべり面上を動くことで金属は塑性変形する。刃状・らせん・混合転位がある。
「転位」は、8分野の19問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 熱処理と金属材料, 結晶欠陥と拡散など)。
この用語の分野: 結晶欠陥と拡散
原子の面全体を一度にずらすのに必要な理論せん断強さは、剛性率の10分の1程度と見積もられますが、実際の金属はその1000分の1以下の応力で降伏します。この大きな差を説明するのが転位です。転位があると、原子の結合をいっせいに切る必要はなく、転位線の付近の結合を少しずつ組み替えるだけで結晶がずれていきます。じゅうたんのしわを動かして全体をずらすようなものです。そのため金属の塑性変形のしやすさは、転位がどれだけ動きやすいかで決まります。
転位の種類は、ずれの大きさと向きを表すバーガースベクトルbと、転位線の向きの関係で決まります。刃状転位は余分な半原子面が差し込まれた形で、bは転位線に垂直です。らせん転位では原子面がらせん階段のようにつながり、bは転位線に平行です。一般の転位は両者が混ざった混合転位です。刃状転位はすべり面が1つに決まり、高温では空孔を吸収・放出して上下に移る上昇運動ができます。らせん転位は別のすべり面へ移る交差すべりができます。
金属の強化法の多くは、転位の運動を妨げることで成り立っています。固溶強化は溶質原子のひずみの場で、析出硬化は微細な析出物で、結晶粒の微細化は粒界で、加工硬化は転位どうしのからみ合いで、それぞれ転位を止めます。冷間加工すると転位密度は10¹⁰ m⁻² 程度から10¹⁵ m⁻² 程度まで増え、強度が上がる一方で延性は下がります。逆に、焼なましで回復や再結晶が起こると転位密度が下がり、軟らかさと延性が戻ります。
転位はTEMで、ひずみによる回折のコントラストの線として直接観察できます。表面では、エッチングで転位が表面と交わる点にエッチピットができるので、その密度を数えて転位密度を評価します。シリコンウエハはほぼ無転位で作られますが、プロセス中の熱応力などで転位が入ると、リーク電流の増加や金属不純物の析出の場所になります。格子定数の異なる膜を成長させると、界面にミスフィット転位が入ってひずみを緩和し、膜の中には貫通転位が残ることがあります。
正解:C. 約0.286 nm
(a/2)<110> の大きさは (a/2) × √(1² + 1² + 0²) = a/√2 で、0.405/1.414 ≈ 0.286 nm です。これはFCCで最も近い原子間距離に等しく、転位は最密方向の最も短い格子並進ベクトルをバーガースベクトルに選びます。約0.405 nm は格子定数そのもの(<100>方向の並進)で、転位のエネルギーは b² に比例するので不利です。約0.351 nm はBCCの (a/2)<111>、すなわち √3a/2 を当てはめた値です。転位の単位長さあたりの弾性エネルギーは約 Gb²/2 で、bが小さい転位ほど安定です。
塑性変形中に、両端を固定された転位が弓なりに張り出して輪を次々につくるフランク・リード源などの機構で増殖します。そのため加工が進むほど転位密度が増え、加工硬化が起こります。
転位のまわりを一周する閉じた回路をつくると、完全結晶と比べて閉じない分のずれが残ります。これがバーガースベクトルで、転位が通り過ぎたときに結晶がずれる量と向きを表します。
イオン結合では同じ符号のイオンが近づかないようにすべる必要があり、共有結合では結合の方向性が強いため、すべり系が限られパイエルス応力が大きいからです。そのため室温では塑性変形する前に脆性破壊します。
刃状転位は、余分な半原子面が結晶に差し込まれた形の転位で、バーガースベクトルbは転位線に垂直です。
刃状転位におけるバーガースベクトルと転位線の関係として正しいものはどれか。これはFCCで最も近い原子間距離に等しく、転位は最密方向の最も短い格子並進ベクトルをバーガースベクトルに選びます。
FCC金属の完全転位のバーガースベクトルは (a/2)<110> である。アルミニウム(格子定数0.405 nm)で、…降伏強さや硬さは転位の動きやすさで決まる組織に敏感な性質で、熱処理や加工で大きく変わります。
鋼のヤング率についての説明として正しいものはどれか。BCC金属では、転位を動かすのに必要な応力(パイエルス応力)が温度の低下とともに急に大きくなるため、低温では降伏する前にへき開破壊が起こり、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーがある温度域で急に下がります。
低温で延性から脆性への遷移(延性脆性遷移)がはっきり現れる材料はどれか。その後、室温(自然時効)や100〜200℃程度(人工時効)に保持すると、GPゾーン、θ″相、θ′相といった微細で母相と整合・半整合な析出物ができ、転位の運動を妨げて強度が上がります。
Al-Cu合金(ジュラルミン系)の析出硬化処理の手順として正しいものはどれか。加工硬化 ヤング率 再結晶 回復 クリープ バーガースベクトル 金属ガラス 拡散クリープ べき乗則クリープ Ni基超合金