結晶欠陥と拡散
空孔濃度のアレニウス式、転位とバーガースベクトル、粒界、フィックの法則、拡散係数と誤差関数解を3択問題で学べます。浸炭やドーパント拡散の計算も練習できます。
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結晶欠陥と拡散の要点
実際の結晶には、空孔や格子間原子などの点欠陥、転位という線欠陥、粒界などの面欠陥があります。空孔の濃度は exp(−Q/kT) に従って温度とともに急に増え、拡散の担い手になります。転位はバーガースベクトルで特徴づけられ、刃状転位では転位線に垂直、らせん転位では平行です。
拡散はフィックの法則で表され、定常状態では流束が濃度勾配に比例します。拡散係数は D = D₀exp(−Q/RT) で温度に強く依存し、拡散距離の目安は √(Dt) です。浸炭のように表面濃度が一定の場合は、誤差関数の解を使って深さと時間の関係を求めます。
結晶欠陥と拡散の問題一覧(12問)
- イオン結晶の点欠陥のうち、フレンケル欠陥の説明として正しいものはどれか。
- 刃状転位におけるバーガースベクトルと転位線の関係として正しいものはどれか。
- ある金属の空孔形成エネルギーを0.90 eVとする。1000 Kにおける平衡空孔濃度(格子点あたりの空孔の割合)を n/N = exp(−Q/kT) で求めるとどれに最も近いか。ボルツマン定数は k = 8.617×10⁻⁵ eV/K とする。
- 厚さ5.0 mmの鋼板の両面で、炭素濃度がそれぞれ1.2 kg/m³と0.8 kg/m³に保たれ、定常状態で拡散している。拡散係数を3.0×10⁻¹¹ m²/sとすると、炭素の拡散流束はどれに最も近いか。濃度は板厚方向に直線的に変化するとする。
- γ鉄中の炭素の拡散係数は、D₀ = 2.3×10⁻⁵ m²/s、活性化エネルギー Q = 148 kJ/mol のアレニウス型 D = D₀exp(−Q/RT) に従う。927℃における拡散係数はどれに最も近いか。気体定数は R = 8.314 J/(mol·K) とする。
- ある元素の拡散係数が、800 Kで1.0×10⁻¹⁴ m²/s、1000 Kで4.0×10⁻¹³ m²/sだった。アレニウス型 D = D₀exp(−Q/RT) に従うとすると、活性化エネルギーQはどれに最も近いか。R = 8.314 J/(mol·K) とする。
- 炭素濃度0.20 wt%の鋼を、表面の炭素濃度を1.00 wt%に保って浸炭する。深さ0.50 mmで炭素濃度が0.60 wt%になるまでの時間はどれに最も近いか。拡散係数は1.6×10⁻¹¹ m²/s、(C − C₀)/(Cₛ − C₀) = 1 − erf(x/2√(Dt))、erf(0.371) = 0.40、erf(0.477) = 0.50 とする。
- 同じ温度で拡散処理をするとき、ある濃度に達する深さを2倍にするには、処理時間を何倍にする必要があるか。
- 同じ温度のα鉄の中では、炭素の拡散係数はニッケルの拡散係数より何桁も大きい。その主な理由として正しいものはどれか。
- 多結晶金属での拡散の経路について正しいものはどれか。
- 銅と黄銅(Cu-Zn合金)を接合して加熱すると、元の界面に置いた不活性なマーカーが黄銅の側へ移動する(カーケンドール効果)。この現象が示すこととして正しいものはどれか。
- FCC金属の完全転位のバーガースベクトルは (a/2)<110> である。アルミニウム(格子定数0.405 nm)で、その大きさはどれに最も近いか。