結晶欠陥と拡散

銅と黄銅(Cu-Zn合金)を接合して加熱すると、元の界面に置いた不活性なマーカーが黄銅の側へ移動する(カーケンドール効果)。この現象が示すこととして正しいものはどれか。

  1. A2種類の原子の拡散の速さが異なり、拡散が空孔機構で進んでいる
  2. B原子は格子間機構だけで拡散し、格子点の数は界面の両側で変わらない
  3. C界面に生じた熱応力によって、マーカーが黄銅の側へ押し流されている
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正解:A. 2種類の原子の拡散の速さが異なり、拡散が空孔機構で進んでいる

亜鉛が銅の中へ拡散する速さは、銅が黄銅の中へ拡散する速さより大きいため、黄銅の側から出ていく原子が入ってくる原子より多くなります。置換型の拡散は空孔との入れ替わりで進むので、原子の正味の流れと逆向きに空孔が流れ、黄銅の側で格子面が減ってマーカーが黄銅の側へ移動します。これは拡散が空孔機構で進むことを示した歴史的な実験です。格子間機構だけなら格子点の数は変わらず、マーカーは動きません。余った空孔が集まるとカーケンドールボイドになり、はんだ接合部などの信頼性を下げる原因になります。

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