材料の熱的性質

比熱のデュロン・プティの法則とデバイのT³則、金属と絶縁体の熱の担い手、ヴィーデマン・フランツの法則、熱拡散率とその測定、熱膨張の起源、インバー、熱衝撃に強い材料を3択問題で学べます。

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材料の熱的性質の要点

固体の熱的性質の多くは、原子の振動を量子化したフォノンで説明できます。室温付近の多くの元素のモル比熱は約3Rですが、低温では振動が励起されにくくなり、絶縁体の比熱は T³ に比例して小さくなります。熱は、金属では主に伝導電子が、絶縁体ではフォノンが運び、金属の熱伝導率は電気伝導率とヴィーデマン・フランツの法則で結ばれます。

熱伝導率が定常の熱の流れやすさを表すのに対し、熱拡散率 α = κ/(ρc) は温度の変化が伝わる速さを表し、レーザーフラッシュ法で測れます。熱膨張は原子間ポテンシャルの非対称性から生じ、結合の強い材料ほど小さくなります。急な温度変化で割れる熱衝撃には、線膨張係数の小さい材料ほど強くなります。

材料の熱的性質の問題一覧(15問)

  1. デュロン・プティの法則では、室温付近の多くの固体元素のモル比熱が約3R(R は気体定数8.31 J/(mol·K))になる。アルミニウム(モル質量26.98 g/mol)の質量あたりの比熱を、この法則で見積もるとどれに最も近いか。
  2. デバイ温度より十分低い温度で、絶縁体の結晶の比熱(格子比熱)は温度とともにどう変わるか。
  3. ダイヤモンドは電気の絶縁体なのに、室温の熱伝導率が約2000 W/(m·K) と、銅(約400 W/(m·K))より大きい。主な理由はどれか。
  4. ヴィーデマン・フランツの法則 κ = LσT(ローレンツ数 L = 2.44×10⁻⁸ W·Ω/K²)を使い、300 Kで電気伝導率 σ = 5.9×10⁷ S/m の銅の熱伝導率を見積もるとどれに最も近いか。
  5. 純銅(室温の熱伝導率約400 W/(m·K))に亜鉛を約30%固溶させた黄銅では、熱伝導率が約120 W/(m·K) に下がる。主な理由はどれか。
  6. 絶縁体の単結晶の格子熱伝導率は、デバイ温度と同程度以上の温度では、温度を上げるとおよそ 1/T に比例して下がる。主な理由はどれか。
  7. シリコン(密度2330 kg/m³、比熱700 J/(kg·K))の室温の熱伝導率を150 W/(m·K)、フォノンの平均の速さを6000 m/sとする。気体分子運動論と同じ形の式 κ = (1/3)Cvl(C は体積あたりの比熱)から、フォノンの平均自由行程 l を見積もるとどれに最も近いか。
  8. アルミニウム(熱伝導率237 W/(m·K)、密度2700 kg/m³、比熱900 J/(kg·K))の熱拡散率 α = κ/(ρc) はどれに最も近いか。
  9. 同じ室温(約20℃)に十分長く置いた金属の板と木の板を手で触ると、金属のほうが冷たく感じる。主な理由はどれか。
  10. レーザーフラッシュ法で、厚さ L = 2.0 mm の円板の表面にパルス光を当てたところ、裏面の温度上昇が最大値の半分に達するまでの時間が t½ = 0.050 s だった。熱の損失を無視したパーカーの式 α = 0.1388L²/t½ で求めた熱拡散率はどれに最も近いか。
  11. 固体が加熱によって膨張する(熱膨張が起こる)主な原因はどれか。
  12. 室温付近の線膨張係数を大きい順に並べたものとして正しいものはどれか。
  13. Fe-36%Ni合金(インバー)の線膨張係数が、室温付近で約1×10⁻⁶ K⁻¹ と非常に小さい理由として正しいものはどれか。
  14. グリュナイゼンの関係によれば、固体の体膨張係数はおよそ定積比熱に比例する。絶対零度に近い低温での絶縁体の線膨張係数についての説明として正しいものはどれか。
  15. 赤熱した石英ガラス(溶融シリカ)を水に入れても割れにくいが、ソーダ石灰ガラスは割れやすい。石英ガラスの熱衝撃抵抗が高い主な理由はどれか。

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