材料の熱的性質

シリコン(密度2330 kg/m³、比熱700 J/(kg·K))の室温の熱伝導率を150 W/(m·K)、フォノンの平均の速さを6000 m/sとする。気体分子運動論と同じ形の式 κ = (1/3)Cvl(C は体積あたりの比熱)から、フォノンの平均自由行程 l を見積もるとどれに最も近いか。

  1. A約15 nm
  2. B約5.1 nm
  3. C約46 nm
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正解:C. 約46 nm

体積あたりの比熱は C = ρc = 2330×700 ≈ 1.63×10⁶ J/(m³·K) です。l = 3κ/(Cv) = 3×150/(1.63×10⁶×6000) ≈ 4.6×10⁻⁸ m で、約46 nm になります。約15 nm は係数1/3を落として κ/(Cv) とした値、約5.1 nm は1/3を逆の側に掛けて κ/(3Cv) とした値です。この見積もりはすべてのフォノンを同じ速さと平均自由行程で代表させた平均の値で、実際には数百nm以上の平均自由行程をもつ低周波のフォノンも多くの熱を運んでいます。そのため、厚さが100 nm程度のシリコン薄膜やナノワイヤでは、表面での散乱によって熱伝導率がバルクより大きく下がります。

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