バーガースベクトルとは
ばーがーすべくとる
転位のまわりを一周する回路の閉じない分のずれを表すベクトル。FCCの完全転位では (a/2)<110>。転位の種類とエネルギーを決める。
「バーガースベクトル」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(結晶欠陥と拡散など)。
この用語の分野: 結晶欠陥と拡散
ばーがーすべくとる
転位のまわりを一周する回路の閉じない分のずれを表すベクトル。FCCの完全転位では (a/2)<110>。転位の種類とエネルギーを決める。
「バーガースベクトル」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(結晶欠陥と拡散など)。
この用語の分野: 結晶欠陥と拡散
転位を囲むように、原子から原子へ同じ数ずつ進む閉じた回路をつくり、同じ手順を転位のない完全結晶でたどると、回路が閉じずにずれが残ります。このずれを表すベクトルがバーガースベクトルbです。回路を回る向きと、始点から終点へ向かうか終点から始点へ向かうかの約束(FS/RH則など)で符号が決まるので、計算では1つの約束に統一します。bは、転位が通り過ぎたときに結晶がずれる量と向きにあたり、転位の性質の多くはこのベクトルで決まります。
転位のエネルギーは単位長さあたり約 Gb²/2 と |b|² に比例するので、bには最も短い格子の並進ベクトルが選ばれます。FCCでは (a/2)<110>(大きさ a/√2)、BCCでは (a/2)<111>(√3a/2)、HCPでは (a/3)<11-20>(大きさa)が代表です。銅では約0.256 nm、α鉄では約0.248 nmになります。1本の転位がb₁²> b₂² + b₃² を満たす2本に分かれるとエネルギーが下がるという目安がフランクの規則で、FCCの部分転位への分解もこれで説明できます。
転位線の向きは場所によって曲がっても、1本の転位のバーガースベクトルはどこでも同じです。bと転位線が垂直なところは刃状、平行なところはらせん、その間は混合転位の成分になります。そのため転位は結晶の内部で途切れず、表面に抜けるか、輪になるか、他の転位と結節点でつながります。結節点に流れ込むバーガースベクトルの和は出ていく和に等しくなります。刃状転位はbの向きに動きますが、らせん転位はbに垂直に動く点にも注意が必要です。
TEMでは、回折ベクトルgとbの内積が g·b = 0 になる条件で転位のコントラストがほぼ消えます。この消える条件を2つの異なるgで探すと、bの向きを決められます。また、転位が動いて生じる塑性せん断ひずみの速さは γ̇ = ρ_m b v(ρ_m は動く転位の密度、vは平均速度)で表され、bは転位の運動と巨視的な変形をつなぐ量です。転位にかかる力も、単位長さあたりせん断応力τとbの積 τb で見積もります。
正解:C. 約0.286 nm
(a/2)<110> の大きさは (a/2) × √(1² + 1² + 0²) = a/√2 で、0.405/1.414 ≈ 0.286 nm です。これはFCCで最も近い原子間距離に等しく、転位は最密方向の最も短い格子並進ベクトルをバーガースベクトルに選びます。約0.405 nm は格子定数そのもの(<100>方向の並進)で、転位のエネルギーは b² に比例するので不利です。約0.351 nm はBCCの (a/2)<111>、すなわち √3a/2 を当てはめた値です。転位の単位長さあたりの弾性エネルギーは約 Gb²/2 で、bが小さい転位ほど安定です。
(a/n)<uvw> の形なら、大きさは (a/n)√(u² + v² + w²) です。例えばFCCの銅(a = 0.3615 nm)の (a/2)<110> は 0.3615/√2 ≈ 0.256 nm で、最近接の原子間距離に等しくなります。
格子の並進ベクトルではない短いベクトルをもつ転位です。FCCのショックレー部分転位は (a/6)<112> で、通り過ぎたあとに積層欠陥を残すので、単独ではなく2本が積層欠陥をはさんで対になって存在します。
符号が逆になります。転位そのものは同じでも、転位線の向きの選び方と回路の約束でbの符号が決まるので、複数の転位の和や反応を考えるときは同じ約束で統一する必要があります。
刃状転位は、余分な半原子面が結晶に差し込まれた形の転位で、バーガースベクトルbは転位線に垂直です。
刃状転位におけるバーガースベクトルと転位線の関係として正しいものはどれか。これはFCCで最も近い原子間距離に等しく、転位は最密方向の最も短い格子並進ベクトルをバーガースベクトルに選びます。
FCC金属の完全転位のバーガースベクトルは (a/2)<110> である。アルミニウム(格子定数0.405 nm)で、…