クリープとは
くりーぷ
一定の荷重のもとで、時間とともに変形が進む現象。目安として融点(絶対温度)の0.4倍程度以上で顕著になり、遷移・定常・加速の3段階を経て破断する。
「クリープ」は、4分野の13問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 高分子・複合材料, 機械的性質と破壊など)。
この用語の分野: 機械的性質と破壊
くりーぷ
一定の荷重のもとで、時間とともに変形が進む現象。目安として融点(絶対温度)の0.4倍程度以上で顕著になり、遷移・定常・加速の3段階を経て破断する。
「クリープ」は、4分野の13問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープ, 高分子・複合材料, 機械的性質と破壊など)。
この用語の分野: 機械的性質と破壊
一定の荷重でのひずみと時間の曲線は、ひずみ速度がしだいに下がる遷移(1次)クリープ、加工硬化と回復が釣り合ってひずみ速度がほぼ一定になる定常(2次)クリープ、ボイドの発生やくびれで速度が増す加速(3次)クリープを経て破断します。設計では、最小のひずみ速度である定常クリープ速度と、破断までの時間(クリープ破断時間)が重要です。両者の積がほぼ一定になるというモンクマン・グラントの経験則も、寿命の見積もりに使われます。
定常クリープ速度は、ε̇ = Aσⁿexp(−Q/RT) の形で表されることが多くあります。転位の上昇と運動による転位クリープでは応力の指数nが3〜8程度になり、低応力・高温では、原子の拡散で結晶粒が伸びる拡散クリープ(n ≈ 1)が主になります。拡散クリープには粒内を拡散するナバロ・ヘリングクリープと、粒界を拡散するコーブルクリープがあり、速度は粒径の2乗または3乗に反比例します。活性化エネルギーQは、自己拡散の値に近いことが多いです。
クリープが顕著になる目安は融点(絶対温度)の0.3〜0.5倍程度なので、融点の低い材料では室温でも起こります。融点が約490 Kのスズ系のはんだでは、室温が融点の約0.6倍にあたり、はんだ接合部のクリープは信頼性の大きな課題です。高分子、鉛、氷も室温付近でクリープします。また、室温では強度を上げる細かい結晶粒も、高温では拡散クリープや粒界すべりを速めます。ジェットエンジンのタービン翼に粒界のない単結晶が使われるのはこのためです。
実機の使用期間は数万〜数十万時間に及ぶので、高い温度や応力での短時間の試験から長時間の寿命を推定します。代表的なのがラーソン・ミラー・パラメータ P = T(C + log t_r) で、Tは絶対温度、t_rは破断時間(h)、Cは鋼ではおよそ20がよく使われます。例えばC = 20として、600℃で1000時間に相当する条件は、650℃では約57時間になります。ただし、長時間の間に組織が変わる材料では、外挿の誤差が大きくなる点に注意が必要です。
正解:A. 約100℃
この目安は絶対温度で考えるので、融点を Tm = 660 + 273 = 933 K として、0.4Tm ≈ 373 K、すなわち約100℃です。約264℃は℃のまま 0.4 × 660 とした誤り、約373℃は 373 K を℃と取り違えた誤りです。この比(相同温度)の目安は0.3〜0.5程度と材料によって幅がありますが、アルミニウム合金では100℃台からクリープや強度低下を考える必要があり、融点の低いはんだでは室温でもクリープが起こります。クリープは遷移・定常・加速の3段階を経て破断に至り、設計では定常クリープ速度が重要です。
正解:B. 遷移クリープではひずみ速度がしだいに減り、定常クリープでは加工硬化と回復がつり合ってほぼ一定になり、加速クリープではひずみ速度が増えて破断に至る
荷重をかけた直後の瞬間ひずみのあと、遷移クリープでは転位が増えて絡み合う加工硬化が回復に勝り、ひずみ速度がしだいに下がります。定常クリープでは、加工硬化と、転位の上昇運動などによる回復がつり合い、ひずみ速度が最小でほぼ一定になります。この段階が寿命の大部分を占めるので、設計では定常(最小)クリープ速度を使います。加速クリープでは、粒界のボイドの発生と合体、くびれによる断面の減少、組織の劣化でひずみ速度が増え、破断します。速度の増減を逆にした説明は段階の順を取り違えています。定常とはひずみ速度が一定という意味で、ひずみが止まるわけではありません。
クリープは一定の荷重(応力)のもとでひずみが増え続ける現象、応力緩和は一定のひずみに保ったまま応力が下がっていく現象です。高温のボルトの締付け力が時間とともに落ちるのは応力緩和の例です。
クリープ曲線の2次の段階で、ひずみ速度がほぼ一定になったときの値で、最小クリープ速度ともいいます。設計では、使用期間中のひずみの見積もりや、破断時間の予測の基準になります。
起こります。目安は融点(絶対温度)との比なので、はんだ、鉛、高分子、氷のように融点やガラス転移温度が低い材料では、室温でもクリープを考える必要があります。
この比(相同温度)の目安は0.3〜0.5程度と材料によって幅がありますが、アルミニウム合金では100℃台からクリープや強度低下を考える必要があり、融点の低いはんだでは室温でもクリープが起こります。
クリープが無視できなくなる温度の目安を、融点(絶対温度)の約0.4倍とする。アルミニウム(融点660℃)では、この目安…荷重をかけた直後の瞬間ひずみのあと、遷移クリープでは転位が増えて絡み合う加工硬化が回復に勝り、ひずみ速度がしだいに下がります。
一定の荷重と温度のもとで測ったクリープ曲線(ひずみと時間の関係)の3つの段階についての説明として正しいものはどれか。純金属の高温のクリープの活性化エネルギーは自己拡散の活性化エネルギーに近いことが多く、クリープが拡散に支配されていることを示します。
定常クリープ速度が ε̇ = Aσⁿexp(−Q/RT) に従い、活性化エネルギーが Q = 300 kJ/mol の…フォークトモデルが表すのは、一定応力のもとでひずみが時間とともに一定値に近づく遅延弾性(クリープ)です。
粘弾性の力学モデルについての説明として正しいものはどれか。約4.3 MPa は 5.0 × (1 − exp(−2)) で、フォークトモデルのクリープのように時間とともに増える式と取り違えています。
マクスウェルモデルで表せる高分子に一定のひずみを与えたところ、初期の応力が5.0 MPaだった。緩和時間を50 sとす…転位 Ni基超合金 べき乗則クリープ 拡散クリープ 粘弾性 加工硬化 回復 ラーソン・ミラー・パラメータ 熱間静水圧プレス 焼結