高分子・複合材料
高分子の粘弾性における時間-温度換算則(時間-温度重ね合わせの原理)の考え方として正しいものはどれか。
- A温度を上げることは、より長い時間(より低い周波数)で測定することと同じ効果をもつ
- B温度を上げることは、より短い時間(より高い周波数)で速く測定することと同じ効果をもつ
- C粘弾性の性質は温度だけで決まり、測定の時間や周波数を変えても弾性率はまったく変わらない
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正解:A. 温度を上げることは、より長い時間(より低い周波数)で測定することと同じ効果をもつ
高分子の分子運動は温度が高いほど速いので、高温で短い時間に起こる緩和は、低温では長い時間をかけて起こります。そのため、異なる温度で測った緩和弾性率の曲線を対数の時間軸に沿って平行移動すると、1本の合成曲線(マスターカーブ)に重ねられます。つまり温度を上げることは、長時間(低周波数)側で測ることと同じ効果をもちます。移動量(シフトファクター)は、Tg付近ではWLF式、Tgより十分低い温度ではアレニウス型の式で表されます。この原理を使うと、高温での短時間の試験から、室温での長期のクリープや応力緩和を予測できます。