ラーソン・ミラー・パラメータとは
らーそんみらーぱらめーた
クリープ破断の温度と時間をまとめた値 P = T(C + log₁₀t_r)。同じ応力では一定とみなし、短時間の試験から長時間の寿命を見積もる。
「ラーソン・ミラー・パラメータ」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープなど)。
この用語の分野: 高温材料とクリープ
らーそんみらーぱらめーた
クリープ破断の温度と時間をまとめた値 P = T(C + log₁₀t_r)。同じ応力では一定とみなし、短時間の試験から長時間の寿命を見積もる。
「ラーソン・ミラー・パラメータ」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(高温材料とクリープなど)。
この用語の分野: 高温材料とクリープ
クリープ破断までの時間 t_r は、温度が上がるとアレニウス型で急に短くなります。ラーソンとミラーは、破断の時間と温度を1つの値 P = T(C + log₁₀t_r) にまとめると、同じ応力ではPがほぼ一定になることを示しました。Tは絶対温度、t_rの単位は時間(h)で、定数Cには多くの鋼や耐熱合金で約20がよく使われます。横軸にP、縦軸に応力をとってデータを描くと、温度の違う試験の結果が1本の曲線にまとまり、応力からPを読み取れば、任意の温度での破断時間を計算できます。
高温の部品は10万時間(約11年)以上使われることもあり、その長さの試験をすべて行うことはできません。そこで、使用温度より高い温度で数百〜数千時間の試験を行い、Pの値から使用温度での寿命を見積もります。例えば C = 20 で、1000 Kで1000 hの破断は P = 23000 にあたり、同じ応力なら920 Kで10⁵ hの寿命に対応します。温度を80 K下げるだけで寿命が100倍になることから、高温部品で温度の管理がいかに大切かもわかります。
この方法は、試験の温度と使用温度で同じクリープの機構が働き、組織も同じように変化することを前提にしています。長い時間の間に析出物が粗大化したり、別の相が析出したり、変形の機構が転位クリープから拡散クリープに移ったりすると、短時間の試験からの外挿は寿命を長く見積もりすぎるおそれがあります。Cの値も材料によって異なるので、実測のデータから決めるのが望ましく、外挿の幅をむやみに大きくとらないことが大切です。同じ目的で、オア・シャービー・ドーンのパラメータなども使われます。
正解:A. 約920 K
試験の条件から P = 1000 × (20 + log₁₀1000) = 1000 × 23 = 23000 です。10⁵ hでは log₁₀t_r = 5 なので、T = 23000/(20 + 5) = 920 Kになります。温度を80 K下げるだけで寿命が100倍になり、高温で短時間の試験から低温で長時間の寿命を見積もれることが、このパラメータの使い道です。約854 Kは常用対数の代わりに自然対数を使った値、約600 Kは定数Cを忘れて P = T log₁₀t_r とした値です。ただし、長い時間の間に組織が変わったり変形の機構が移ったりすると外挿が外れるので、この例のように100倍もの外挿は慎重に扱い、外挿の幅をむやみに大きくとらないことが大切です。
多くの鋼や耐熱合金のデータに当てはめると、Cがおよそ15〜25の範囲になり、その代表として20がよく使われるためです。理論から決まる値ではないので、精度が必要なときは、その材料の複数の温度の試験データからCを決めます。
Pは温度と時間の組み合わせの厳しさを表し、Pが大きいほど高温または長時間の条件にあたります。Pと破断応力の曲線では、Pが大きいほど破断応力は下がります。同じPで破断応力が高い材料ほど、クリープ破断に強い材料です。
式の形は同じですが、log₁₀t_r の値が変わるので、当てはまるCの値も変わります。C = 20 は破断時間を時間(h)で表したときの値なので、ほかのデータと比べるときは単位をそろえる必要があります。
クリープ 拡散クリープ 酸化の放物線則 遮熱コーティング Ni基超合金 ピリング・ベドワース比 べき乗則クリープ 変形機構図