高温材料とクリープ

定常クリープ速度が ε̇ = Aσⁿexp(−Q/RT) に従い、活性化エネルギーが Q = 300 kJ/mol の合金がある。応力を変えずに温度を1000 Kから1050 Kに上げると、定常クリープ速度はおよそ何倍になるか。R = 8.314 J/(mol·K) とする。

  1. A約1.05倍
  2. B約52倍
  3. C約5.6倍
答えと解説を見る

正解:C. 約5.6倍

速度の比は exp[(Q/R)(1/1000 − 1/1050)] です。Q/R = 300000/8.314 ≈ 3.61×10⁴ K、(1/1000 − 1/1050) ≈ 4.76×10⁻⁵ K⁻¹ なので、指数は約1.72となり、exp(1.72) ≈ 5.6倍です。わずか50 Kの上昇で速度が5倍以上になるのは、速度が温度に指数関数的に依存するためです。純金属の高温のクリープの活性化エネルギーは自己拡散の活性化エネルギーに近いことが多く、クリープが拡散に支配されていることを示します。約52倍は自然対数の指数を10の累乗として計算した値、約1.05倍は絶対温度の比をそのまま速度の比とした値です。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

高温材料とクリープのほかの問題

  1. ある細粒の多結晶金属を、融点(絶対温度)の約0.5倍の温度で、低い応力のもとでクリープ試験した。定常クリープ速度は応力にほぼ比例し(応力指数 n ≈ 1)、結晶粒径の3乗にほぼ反比例していた。主に働いているクリープの機構として最も適切なものはどれか。
  2. アシュビーらの変形機構図(縦軸に剛性率で規格化した応力 σ/G、横軸に相同温度 T/Tm をとった図)についての説明として正しいものはどれか。Tmは融点(絶対温度)とする。
  3. 室温では結晶粒を細かくすると強度が上がる(ホール・ペッチの関係)が、高温で長時間荷重を受ける部品では、粗い結晶粒や単結晶が使われることが多い。その理由として正しいものはどれか。
  4. ある耐熱合金は、ある応力のもとで1000 Kで1000 hでクリープ破断した。ラーソン・ミラー・パラメータ P = T(C + log₁₀t_r)(Tは絶対温度、t_rは破断時間で単位はh、C = 20)が同じ応力では一定とすると、同じ応力で10⁵ hの破断寿命を得るための温度はどれに最も近いか。
  5. Ni基超合金の高温強度を担うγ'相についての説明として正しいものはどれか。