ガラスと非晶質材料
金属ガラスの室温での塑性変形についての説明として正しいものはどれか。
- A降伏強さは高いが、変形が細いせん断帯に集中し、引張ではほとんど伸びずに破断しやすい
- B結晶粒界がないので延性が非常に高く、室温の引張でも数十%まで均一に伸びたあとに破断する
- C結晶と同じように転位がすべるので加工硬化が大きく、十分にくびれを生じてから延性的に破断する
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正解:A. 降伏強さは高いが、変形が細いせん断帯に集中し、引張ではほとんど伸びずに破断しやすい
金属ガラスでは、せん断応力で原子の小さな集団が協調して動き、局所的に自由体積が増えて軟らかくなります。この軟化がさらに変形を呼び込むため、変形は厚さ10〜数十nm程度のせん断帯に集中し、加工硬化もないので、引張では1本のせん断帯が貫通してほとんど伸びずに破断します。圧縮や曲げでは多数のせん断帯ができ、ある程度の塑性変形が見られます。転位のすべりによる加工硬化やくびれは結晶の金属の特徴で、粒界がないことは延性を保証しません。対策として、結晶相を分散させてせん断帯の進展を妨げる複合化などが研究されています。一方、過冷却液体の温度域では粘性流動で大きく変形でき、精密な成形に使われます。