ガラスと非晶質材料
水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)と結晶シリコンの性質の比較として正しいものはどれか。
- A原子配列が乱れているので可視光をほとんど吸収せず、ITO の代わりに透明な電極に使われる
- B可視光の吸収係数が結晶より大きく1 µm以下の膜で吸収できるが、電子の移動度は2〜3桁小さい
- C電子の移動度が結晶シリコンより大きいので、高速のマイクロプロセッサーのトランジスタに広く使われる
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正解:B. 可視光の吸収係数が結晶より大きく1 µm以下の膜で吸収できるが、電子の移動度は2〜3桁小さい
結晶シリコンは間接遷移型で、可視光のうち波長の長い光の吸収が弱いため、太陽電池にはふつう100 µm以上の厚さの基板が使われます。a-Si:Hでは長距離の周期性がなく、遷移の前後で運動量を保存する制約がゆるむので、可視光の吸収係数が結晶より大きくなり、厚さ1 µm以下の膜で光を吸収できます。一方で、乱れた網目がつくるバンド端のすその準位でキャリアが捕まるため、電子の移動度は約1〜10 cm²/(V·s)と、結晶シリコンの約1400 cm²/(V·s)より2〜3桁小さくなります。そのため高速の論理回路には向かず、約300℃で大面積に成膜できる利点を生かして、液晶ディスプレーの画素のTFTや薄膜太陽電池に使われてきました。バンドギャップ約1.7 eVで可視光をよく吸収し、透明電極にはなりません。