ガラスと非晶質材料

酸化物ガラスの短距離秩序と網目構造、網目形成酸化物と修飾酸化物、非架橋酸素、粘度の温度依存、風冷強化と化学強化、金属ガラスのつくりやすさと性質、アモルファスシリコンを3択問題で学べます。

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ガラスと非晶質材料の要点

ガラスは、融液を冷やすときに結晶化せずに構造が凍結された非晶質の固体で、最近接の配位はそろっていても長距離の周期性をもちません。酸化物ガラスでは、SiO₂などの網目形成酸化物が頂点を共有する網目をつくり、Na₂OやCaOなどの修飾酸化物が橋かけを切って非架橋酸素をつくり、粘度やガラス転移温度を下げます。粘度の温度変化はVFT式で表され、成形や徐冷の温度の目安になります。

ガラスは表面の傷から引張で壊れるので、風冷強化やイオン交換による化学強化で表面に圧縮応力を入れて強くします。金属でも、多成分で原子の大きさが違い、混合熱が負の合金なら、遅い冷却でもガラスになり、高い強度と大きな弾性ひずみを示します。水素で未結合手を終端したアモルファスシリコンは、大面積の薄膜トランジスタや太陽電池に使われます。

ガラスと非晶質材料の問題一覧(15問)

  1. ソーダ石灰ガラスのような酸化物ガラスの原子配列についての説明として正しいものはどれか。
  2. 単独でもガラスになり、酸化物ガラスの網目の骨格をつくる網目形成酸化物の組み合わせとして正しいものはどれか。
  3. SiO₂ガラスにNa₂Oを加えると、ガラスの構造と性質はどう変わるか。
  4. 30 mol% Na₂O-70 mol% SiO₂ のナトリウムケイ酸塩ガラスで、Na₂O 1個が非架橋酸素を2個つくるとすると、SiO₄四面体1個あたりの非架橋酸素の数(NBO/T)はどれに最も近いか。
  5. あるソーダ石灰ガラスの粘度η(Pa·s)が、VFT式 log₁₀η = A + B/(T − T₀)(A = −2.5、B = 4300 K、T₀ = 520 K)で表されるとする。粘度が10¹² Pa·s(徐冷点の目安で、ガラス転移温度に近い)になる温度はどれに最も近いか。
  6. 板ガラスを風冷で強化する(物理強化)しくみとして正しいものはどれか。
  7. 厚さ t = 10 mm の風冷強化ガラスで、厚さの中央からの距離を y とすると、応力が σ(y) = σc(1 − 12y²/t²)(引張を正、σcは中央の引張応力)の放物線で分布しているとする。表面の圧縮応力が120 MPaのとき、中央の引張応力σcと、表面から圧縮の層が終わるまでの深さの組み合わせとして正しいものはどれか。
  8. スマートフォンのカバーガラスなどに使われる化学強化(イオン交換による強化)の説明として正しいものはどれか。
  9. 数mm以上の厚さでもガラスになるバルク金属ガラスをつくりやすい合金の条件として、経験的に知られている組み合わせ(井上の経験則)はどれか。
  10. ターンブルの目安では、換算ガラス転移温度 Trg = Tg/Tl(Tgはガラス転移温度、Tlは液相線温度、どちらも絶対温度)が大きいほど、融液を冷やしたときにガラスになりやすい。次の合金のうち、この目安で最もガラスになりやすいものはどれか。
  11. 銅の鋳型に流し込んで板状の金属ガラスをつくる。板の中心の冷却速度が板厚dの2乗に反比例するとし、厚さ1.0 mmのときの冷却速度を1.0×10³ K/sとする。臨界冷却速度が10 K/sの合金をガラスにできる最大の板厚はどれに最も近いか。
  12. あるZr基バルク金属ガラスの降伏強さが1.8 GPa、ヤング率が90 GPaである。弾性ひずみの限界を σy/E で見積もった値と、結晶性の金属材料との比較の組み合わせとして正しいものはどれか。
  13. 金属ガラスの室温での塑性変形についての説明として正しいものはどれか。
  14. 太陽電池や薄膜トランジスタに使うアモルファスシリコンを、シランのプラズマCVDで、水素を約10%含むa-Si:Hとしてつくる主な理由はどれか。
  15. 水素化アモルファスシリコン(a-Si:H)と結晶シリコンの性質の比較として正しいものはどれか。

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