ガラスと非晶質材料
数mm以上の厚さでもガラスになるバルク金属ガラスをつくりやすい合金の条件として、経験的に知られている組み合わせ(井上の経験則)はどれか。
- A2種類の元素だけからなり、融点の高い純金属に近い組成で、液相線温度が高い
- B原子半径がほぼ等しい3種類以上の元素を組み合わせ、元素どうしの混合熱が正になるようにする
- C3種類以上の元素からなり、主な元素の原子半径の差が約12%以上で、混合熱が負である
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正解:C. 3種類以上の元素からなり、主な元素の原子半径の差が約12%以上で、混合熱が負である
井上の経験則は、多成分であること、主な元素の原子半径の差が約12%以上あること、混合熱が負であることの3つです。大きさの違う原子が引き合いながら混ざると、液体は原子が密に詰まった乱れた配列になり、原子の拡散と再配列が遅くなります。また、多くの元素を含む液体から結晶ができるには原子を大きく並べ替える必要があり、結晶の核生成と成長が起こりにくくなります。深い共晶に近い組成で液相線温度が下がることも助けになります。原子半径が等しく混合熱が正の組み合わせは固溶体や相分離をつくりやすく、純金属に近い組成は10⁶ K/s程度の急冷でもほとんどガラスになりません。