ガラスと非晶質材料
太陽電池や薄膜トランジスタに使うアモルファスシリコンを、シランのプラズマCVDで、水素を約10%含むa-Si:Hとしてつくる主な理由はどれか。
- A水素が格子間でドナーとして働き、リンをドーピングしなくても膜をn型にできるから
- B水素がSiの結晶化を促し、膜を移動度の高い多結晶シリコンにして特性を上げるから
- CSiの未結合手(ダングリングボンド)を水素で終端して、欠陥準位を減らすから
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正解:C. Siの未結合手(ダングリングボンド)を水素で終端して、欠陥準位を減らすから
水素を含まないアモルファスシリコンには、網目の乱れのために相手のいない結合手(ダングリングボンド)が10¹⁹〜10²⁰ cm⁻³程度もあり、それがつくる準位がバンドギャップの中ほどで電子や正孔を捕まえてしまいます。そのため、ドーパントを加えてもフェルミ準位がほとんど動かず、光で生じたキャリアもすぐ再結合します。水素がSi-H結合でこれを終端すると欠陥密度は10¹⁵〜10¹⁶ cm⁻³程度まで下がり、リンやホウ素でn型やp型にできるようになりました。水素はドナーとして働くものではなく、ふつうの成膜条件では膜は非晶質のままです(水素で強く薄めたシランからは微結晶膜もできますが、別の目的です)。光を当て続けると欠陥が増えるステブラー・ロンスキー効果も、この水素と関係しています。