磁性材料

反磁性・常磁性・強磁性・フェリ磁性の違い、飽和磁化の計算、磁区と磁壁、単磁区粒子と超常磁性、軟磁性材料の損失、永久磁石の保磁力と最大エネルギー積を3択問題で確認できます。

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磁性材料の要点

物質の磁性は、原子の磁気モーメントの並び方で分類されます。モーメントが交換相互作用で平行にそろう強磁性体は、外部磁界がなくても自発磁化をもちますが、表面の磁極がつくる静磁エネルギーを下げるために多数の磁区に分かれます。磁化の過程では、弱い磁界で磁壁が動き、強い磁界で磁区の中の磁化が回転します。副格子のモーメントが反平行で打ち消し合わないフェリ磁性体(フェライト)は、電気抵抗の高い酸化物です。

用途で見ると、変圧器やモーターの鉄心には保磁力が小さく損失の少ない軟磁性材料を、モーターや発電機の界磁には保磁力が大きく最大エネルギー積の大きい硬磁性材料(永久磁石)を使います。軟磁性材料では結晶磁気異方性と磁歪を小さくし、薄板化や抵抗率の向上で渦電流損失を抑えます。永久磁石では強い一軸の結晶磁気異方性で保磁力を高めます。粒子を小さくすると単磁区になり、さらに小さいと超常磁性になります。

磁性材料の問題一覧(15問)

  1. 磁化率χが負で、その大きさが10⁻⁵程度とごく小さい物質の磁性はどれか。
  2. マグネタイト(Fe₃O₄)などのフェライトが示すフェリ磁性の説明として正しいものはどれか。
  3. 鉄(BCC、格子定数0.2866 nm)の原子1個あたりの磁気モーメントを2.22 µB とする。すべてのモーメントがそろった0 Kでの飽和磁化Msはどれに最も近いか。ボーア磁子を µB = 9.27×10⁻²⁴ A·m² とする。
  4. マグネタイト Fe₃O₄ は逆スピネル型で、Aサイト(四面体位置)にFe³⁺が1個、Bサイト(八面体位置)にFe³⁺とFe²⁺が1個ずつ入り、AサイトとBサイトのモーメントは反平行に並ぶ。Fe³⁺を5 µB、Fe²⁺を4 µB とし、スピンだけが寄与するとすると、化学式 Fe₃O₄ あたりの磁気モーメントはどれか。
  5. 強磁性体が、外部磁界がなくても多数の磁区に分かれる主な理由はどれか。
  6. 強磁性体の粒子を数µmからnmの大きさまで小さくしていくとき、粒子の保磁力の変化として正しいものはどれか。
  7. 体積Vの単磁区粒子の磁化が熱で反転するときのエネルギー障壁をKV(Kは磁気異方性定数)とし、測定時間を100 s程度とすると KV = 25kT が超常磁性になる境目の目安である。K = 1.1×10⁴ J/m³、温度300 K、ボルツマン定数 k = 1.38×10⁻²³ J/K として、超常磁性になる球形粒子の直径の上限はどれに最も近いか。
  8. Fe-約78%Niのパーマロイが、きわめて高い透磁率を示す主な理由はどれか。
  9. 変圧器の鉄心に使う方向性電磁鋼板(Fe-約3%Si)が、圧延方向に磁化したときに特に損失が小さく透磁率が高い理由として正しいものはどれか。
  10. 電磁鋼板の渦電流損失は、板厚t、周波数f、最大磁束密度Bmを使って t²f²Bm² に比例するとする(電気抵抗率は同じ)。同じ周波数と磁束密度で、板厚を0.50 mmから0.35 mmに薄くすると、渦電流損失は元の約何倍になるか。
  11. 電気抵抗率4.8×10⁻⁷ Ω·m、比透磁率5000の電磁鋼板に50 Hzの交流磁界をかける。表皮深さ δ = √(2ρ/(ωµ)) はどれに最も近いか。ω = 2πf、µ = µᵣµ₀、µ₀ = 4π×10⁻⁷ H/m とする。
  12. 永久磁石の減磁曲線で、磁束密度Bを0にする逆磁界の大きさを保磁力 HcB、磁化Mを0にする逆磁界の大きさを固有保磁力 HcJ とする。B = µ₀(H + M) の関係から、両者の大小関係として正しいものはどれか。
  13. 減磁曲線が B = Br + µ₀H の直線になる(HcJ が十分に大きい)理想的な永久磁石で、残留磁束密度 Br = 1.40 T のとき、最大エネルギー積 (BH)max はどれに最も近いか。µ₀ = 4π×10⁻⁷ H/m とする。
  14. Nd₂Fe₁₄B を主相とするネオジム磁石が大きな保磁力をもてる、物質としての主な理由はどれか。
  15. 電気自動車のモーターなど高温で使うネオジム磁石に、DyやTbを加える主な目的はどれか。

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