ナノ材料

比表面積と粒径の関係、ナノ粒子の融点降下、カーボンナノチューブとグラフェンの構造と性質、量子ドット、ナノ粒子の合成法、凝集と分散、BET比表面積を3択問題で確認できます。計算問題も解説つきです。

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ナノ材料の要点

粒子を小さくすると、比表面積は粒径に反比例して増え、球形なら S = 6/(ρd) で見積もれます。表面の原子の割合が増えると、表面エネルギーが材料全体の性質に効くようになり、金属ナノ粒子では融点がバルクより下がります。半導体の量子ドットでは、閉じ込めによって実効的なバンドギャップが広がり、粒径で発光色を変えられます。炭素ではグラフェンとそれを筒状に巻いたカーボンナノチューブが代表です。

ナノ粒子は、大きな材料を砕いたり削ったりするトップダウン法か、原子や分子を核生成と成長で組み上げるボトムアップ法でつくります。粒径をそろえるには、核生成を短時間に集中させることが鍵です。できた粒子は凝集しやすいので、表面電荷や分散剤で分散を保ちます。比表面積はBET法で測り、TEMの一次粒子径や液中の粒径と比べることで、凝集の程度もわかります。

ナノ材料の問題一覧(12問)

  1. 直径20 nmの球形のTiO₂ナノ粒子(密度4.0 g/cm³)が、すべて同じ大きさでばらばらに分散しているとする。粉末1 gあたりの表面積(比表面積)はどれに最も近いか。
  2. 金や錫などの金属のナノ粒子では、粒径が数nmまで小さくなると、バルクの融点より低い温度で融解する。この融点降下のおもな原因として正しいものはどれか。
  3. 球形の金属ナノ粒子の融点が、直径dを使って Tm(d) = Tm∞(1 − β/d) で近似できるとする。金のバルクの融点 Tm∞ = 1337 K とし、β は仮定のモデル値として 1.0 nm とするとき、直径5.0 nmの金ナノ粒子の融点はどれに最も近いか。
  4. 単層カーボンナノチューブの電子的な性質は、グラフェンを巻く向きを表すカイラル指数(n, m)で決まり、n − m が3の倍数なら金属的、そうでなければ半導体的になる。次のうち金属的なものはどれか。
  5. 単層カーボンナノチューブの直径は、グラフェンの格子定数 a = 0.246 nm を使って d = a√(n² + nm + m²)/π で表される。カイラル指数(10, 10)のナノチューブの直径はどれに最も近いか。
  6. グラフェンの構造と性質についての説明として正しいものはどれか。
  7. CdSe量子ドット(バルクのバンドギャップ1.74 eV)で、閉じ込めによるエネルギーの増加が半径Rの2乗に反比例するという簡単なモデルを仮定し、R = 3.0 nm のとき0.30 eVだったとする。R = 2.0 nm の量子ドットの実効的なバンドギャップはどれに最も近いか。電子と正孔のクーロン相互作用は無視する。
  8. ナノ材料の作製法は、大きな材料を細かくするトップダウン法と、原子や分子を組み上げるボトムアップ法に分けられる。ボトムアップ法にあたるものはどれか。
  9. ホットインジェクション法(高温の溶媒に前駆体を一気に注入する方法)で、粒径のそろった(単分散の)ナノ粒子が得られやすい理由として正しいものはどれか。
  10. 水中に分散させた酸化物のナノ粒子が凝集して沈まないようにする方法として適切なものはどれか。
  11. 粉末の比表面積を測るBET法の原理として正しいものはどれか。
  12. あるアルミナのナノ粉末で、TEMで観察した一次粒子の直径は約30 nm、BET比表面積から球形と仮定して求めた粒径も約30 nmだった。ところが、水に分散させて動的光散乱で測った平均粒径は約400 nmだった。この結果の解釈として最も適切なものはどれか。

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