ナノ材料

水中に分散させた酸化物のナノ粒子が凝集して沈まないようにする方法として適切なものはどれか。

  1. ApHを粒子の等電点に合わせて表面の電荷をゼロにし、粒子どうしが電気的に引き合わないようにする
  2. BpHを等電点から十分に離して表面を帯電させ、ゼータ電位の絶対値を大きくする
  3. C塩化ナトリウムなどの電解質を多めに加えてイオン強度を高くし、電気二重層を厚くする
答えと解説を見る

正解:B. pHを等電点から十分に離して表面を帯電させ、ゼータ電位の絶対値を大きくする

ナノ粒子は比表面積が大きく、ファンデルワールス引力で互いにくっついて凝集しやすくなります。水中の酸化物の粒子は、表面の水酸基がpHに応じてプロトンを受け取ったり放したりして帯電し、まわりに電気二重層をつくります。pHを等電点から離してゼータ電位の絶対値を大きく(目安として数十mV以上)すると、粒子どうしの静電的な反発が引力にまさり、分散が安定します(DLVO理論)。等電点では表面の電荷がほぼゼロになり、反発がなくなるので最も凝集しやすくなります。電解質を多く加えると電気二重層が薄く圧縮されて反発が届く距離が短くなるので、凝集はむしろ進みます。高分子の分散剤を吸着させる立体反発も、よく使われる方法です。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

ナノ材料のほかの問題

  1. 粉末の比表面積を測るBET法の原理として正しいものはどれか。
  2. あるアルミナのナノ粉末で、TEMで観察した一次粒子の直径は約30 nm、BET比表面積から球形と仮定して求めた粒径も約30 nmだった。ところが、水に分散させて動的光散乱で測った平均粒径は約400 nmだった。この結果の解釈として最も適切なものはどれか。
  3. 直径20 nmの球形のTiO₂ナノ粒子(密度4.0 g/cm³)が、すべて同じ大きさでばらばらに分散しているとする。粉末1 gあたりの表面積(比表面積)はどれに最も近いか。
  4. 金や錫などの金属のナノ粒子では、粒径が数nmまで小さくなると、バルクの融点より低い温度で融解する。この融点降下のおもな原因として正しいものはどれか。
  5. 球形の金属ナノ粒子の融点が、直径dを使って Tm(d) = Tm∞(1 − β/d) で近似できるとする。金のバルクの融点 Tm∞ = 1337 K とし、β は仮定のモデル値として 1.0 nm とするとき、直径5.0 nmの金ナノ粒子の融点はどれに最も近いか。