比表面積とは
ひひょうめんせき
粉末や多孔体の単位質量あたりの表面積で、単位は m²/g。球形の粒子では S = 6/(ρd) となり、粒径に反比例して大きくなる。
「比表面積」は、3分野の6問の練習問題に出てきます(ナノ材料, 薄膜・表面・ナノ材料, セラミックス・ガラスなど)。
この用語の分野: ナノ材料
ひひょうめんせき
粉末や多孔体の単位質量あたりの表面積で、単位は m²/g。球形の粒子では S = 6/(ρd) となり、粒径に反比例して大きくなる。
「比表面積」は、3分野の6問の練習問題に出てきます(ナノ材料, 薄膜・表面・ナノ材料, セラミックス・ガラスなど)。
この用語の分野: ナノ材料
比表面積は、粉末や多孔体1 gがもつ表面積の合計で、ふつう m²/g で表します。触媒の反応、気体の吸着、溶解、焼結、粉末の酸化など、表面で起こる現象の速さや量は表面積にほぼ比例するので、同じ物質でも比表面積が違えば別の材料のようにふるまいます。体積あたりの表面積が大きいほど、表面エネルギーという余分なエネルギーを多く抱えることになり、これが焼結や凝集が進む駆動力にもなります。ナノ材料の性質が粒径で大きく変わる理由の多くは、この比表面積の増加で説明できます。
同じ直径dの緻密な球なら、表面積 πd² を質量 ρπd³/6 で割って S = 6/(ρd) です。一辺dの立方体でも同じ式になります。例えば直径10 nmの金(密度19.3 g/cm³)では約31 m²/g ですが、同じ直径の非晶質シリカ(約2.2 g/cm³)では約270 m²/g になり、密度の小さい物質ほど比表面積は大きくなります。物質の違いを除いて細かさを比べるときは、体積あたりの表面積(m²/cm³)を使うこともあり、これは ρS = 6/d で粒径だけで決まります。直径10 nmなら 600 m²/cm³ です。
実際の比表面積は、式で求めた値と一致しないことがよくあります。粒子どうしが焼結して首の部分でつながると、そこの表面が失われるので測定値は小さくなります。逆に、粒子に細孔や表面の凹凸があると、外形から計算した値よりずっと大きくなります。活性炭やゼオライトのような多孔体では、粒子が大きくても内部の細孔の壁が表面積の大半を占め、活性炭では1000 m²/gを超えるものもあります。比表面積が大きいことは、粒子が小さいことと同じではありません。
比表面積は、窒素などの気体の吸着量から求めるBET法で測るのが一般的です。セメントの粉末度のように、粉の層に空気を通したときの流れにくさから求める空気透過法もあり、こちらは cm²/g で表すのが慣例です。工程では、比表面積の大きい粉ほど低い温度で焼結し、ぬらすのに必要な溶媒や結合剤の量が増えるので、スラリーの粘度や成形性が変わります。比表面積の大きい金属粉は酸化しやすく、空気中で発火するおそれもあります。触媒や電池材料では、ロットごとの比表面積が品質管理の基本項目です。
正解:B. 100倍
球の表面積は 4πr²、体積は (4/3)πr³ なので、単位体積あたりの表面積は 3/r となり、半径(直径)に反比例します。直径が1 µm = 1000 nm から10 nmへと1/100になると、比表面積は100倍になります。10倍は比の平方根をとってしまった誤り、10000倍は1個の粒子の表面積どうしの比(直径の2乗の比)と取り違えた誤りです。直径10 nm程度の粒子では全原子の1割前後が表面にあり、表面の原子の性質が粒子全体の性質に大きく影響します。触媒にナノ粒子が使われるのは、比表面積が大きいからです。
正解:B. 約75 m²/g
球1個の表面積 πd² を質量 ρπd³/6 で割ると、質量あたりの比表面積は S = 6/(ρd) です。ρ = 4.0 g/cm³ = 4.0×10⁶ g/m³、d = 20×10⁻⁹ m を入れると、S = 6/(4.0×10⁶ × 20×10⁻⁹) = 6/0.080 = 75 m²/g になります。約150 m²/g は式の d に半径の10 nmを入れた値、約37.5 m²/g は、半径で書いた式 S = 3/(ρr) の r に直径の20 nmを入れた値です。比表面積は粒径に反比例するので、粒径が半分になれば2倍になります。実際の粉末は粒子どうしが接触・凝集しているため、測定値はこの計算値より小さくなるのがふつうです。
質量あたりの m²/g が最もよく使われます。SI単位では m²/kg で、1 m²/g = 1000 m²/kg です。体積あたりの値として m²/cm³ を使うこともあり、質量あたりの値に密度を掛けると体積あたりの値になります。セメントなどでは慣例で cm²/g も使われます。
粒子がすべて同じ大きさの緻密な球だと仮定して、d = 6/(ρS) で求めます。例えば密度4.0 g/cm³ で比表面積60 m²/g なら、d = 25 nm です。細孔があると小さく出て、粒径の分布が広いと平均とは違う値になるので、目安として扱います。
表面積は試料全体がもつ面積で、試料の量に比例します。比表面積はそれを質量(または体積)で割った値で、量によらず物質の細かさや多孔性を表します。材料どうしを比べるときは比表面積を、反応器に入れる量の設計などでは全体の表面積を使います。
直径が1 µm = 1000 nm から10 nmへと1/100になると、比表面積は100倍になります。
球状の粒子の直径を1 µmから10 nmに小さくすると、単位体積あたりの表面積(比表面積)は何倍になるか。球1個の表面積 πd² を質量 ρπd³/6 で割ると、質量あたりの比表面積は S = 6/(ρd) です。
直径20 nmの球形のTiO₂ナノ粒子(密度4.0 g/cm³)が、すべて同じ大きさでばらばらに分散しているとする。粉…粒子が細かいほど比表面積が大きく拡散距離も短いので、焼結は低い温度で進みます。
セラミックス粉末の焼結についての説明として正しいものはどれか。ナノ粒子は比表面積が大きく、ファンデルワールス引力で互いにくっついて凝集しやすくなります。
水中に分散させた酸化物のナノ粒子が凝集して沈まないようにする方法として適切なものはどれか。BET法 XRD(X線回折) シェラーの式 焼結 ゼータ電位 カーボンナノチューブ グラフェン ナノ粒子の融点降下 ボトムアップ法 量子ドット