量子ドットとは

りょうしどっと

電子と正孔を3次元的に閉じ込める数nmの半導体ナノ結晶。閉じ込めエネルギーはおおよそ粒径の2乗に反比例し、粒径で発光波長を調整できる。

「量子ドット」は、2分野の3問の練習問題に出てきます(薄膜・表面・ナノ材料, ナノ材料など)。

この用語の分野: ナノ材料

量子ドットの練習問題に挑戦

CdSeなどの半導体ナノ結晶(量子ドット)の粒径を小さくすると、発光の色はどう変わるか。

  1. Aバンドギャップが小さくなり、長波長側(赤の側)へずれる
  2. B粒径によらず、バルクの結晶と同じ色で発光する
  3. Cバンドギャップが大きくなり、短波長側(青の側)へずれる
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正解:C. バンドギャップが大きくなり、短波長側(青の側)へずれる

粒径が、電子と正孔の広がりの目安である励起子のボーア半径(CdSeで約5〜6 nm)と同じ程度以下になると、キャリアが狭い空間に閉じ込められて、エネルギー準位がとびとびになって間隔が広がります。これが量子サイズ効果で、粒径が小さいほど実効的なバンドギャップが大きくなり、発光は短波長側(青の側)へずれます。そのため同じ材料でも粒径を変えるだけで発光色を調整でき、ディスプレイの色変換などに使われます。小さくするとギャップが小さくなるという選択肢は逆の誤りです。バルクと同じ色になるのは、粒径がボーア半径より十分大きい場合です。

CdSe量子ドット(バルクのバンドギャップ1.74 eV)で、閉じ込めによるエネルギーの増加が半径Rの2乗に反比例するという簡単なモデルを仮定し、R = 3.0 nm のとき0.30 eVだったとする。R = 2.0 nm の量子ドットの実効的なバンドギャップはどれに最も近いか。電子と正孔のクーロン相互作用は無視する。

  1. A約2.19 eV
  2. B約2.42 eV
  3. C約2.75 eV
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正解:B. 約2.42 eV

閉じ込めエネルギーは1/R²に比例するので、R = 3.0 nm から2.0 nm にすると (3.0/2.0)² = 2.25倍の 0.30 × 2.25 = 0.675 eV になります。実効的なバンドギャップは 1.74 + 0.675 ≈ 2.42 eV で、発光波長の目安は 1240/2.42 ≈ 513 nm(緑)です。R = 3.0 nm では 2.04 eV(約608 nm、橙〜赤)なので、小さいほど短波長になります。約2.19 eV は1/R、約2.75 eV は1/R³に比例するとした値です。実際の量子ドットでは、小さい粒径で有効質量近似が成り立ちにくくなり(バンドの非放物線性)、閉じ込めエネルギーの増え方は1/R²より緩やかになるのがふつうなので、この値は目安です。

解説の中の「量子ドット」

「量子ドット」が出てくる問題(3問)

  1. CdSeなどの半導体ナノ結晶(量子ドット)の粒径を小さくすると、発光の色はどう変わるか。
  2. CdSe量子ドット(バルクのバンドギャップ1.74 eV)で、閉じ込めによるエネルギーの増加が半径Rの2乗に反比例するという簡単なモデルを仮定し、R = 3.0 nm のとき0.30 eVだったとする。R = 2.0 nm の量子ドットの実効的なバンドギャップはどれに最も近いか。電子と正孔のクーロン相互作用は無視する。
  3. 薄膜の成長様式のうち、ストランスキー・クラスタノフ(SK)成長の説明として正しいものはどれか。

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