ナノ材料

単層カーボンナノチューブの電子的な性質は、グラフェンを巻く向きを表すカイラル指数(n, m)で決まり、n − m が3の倍数なら金属的、そうでなければ半導体的になる。次のうち金属的なものはどれか。

  1. A(6, 6)のアームチェア型
  2. B(10, 0)のジグザグ型
  3. C(7, 5)のカイラル型
答えと解説を見る

正解:A. (6, 6)のアームチェア型

単層カーボンナノチューブは、グラフェンの1枚をカイラルベクトル Ch = na₁ + ma₂ が円周になるように巻いた円筒です。グラフェンのバンドが接するK点を通る波数がチューブの周方向に許されるかどうかで、金属的か半導体的かが決まり、その条件が n − m = 3の倍数です。(6, 6)は n − m = 0 なので金属的で、n = m のアームチェア型はすべて金属的です。(10, 0)は n − m = 10、(7, 5)は n − m = 2 で、どちらも3の倍数ではないので半導体的です。ジグザグ型(m = 0)は n が3の倍数のときだけ金属的になります。カイラル指数をランダムに選ぶと、およそ3分の1が金属的、3分の2が半導体的になります。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

ナノ材料のほかの問題

  1. 単層カーボンナノチューブの直径は、グラフェンの格子定数 a = 0.246 nm を使って d = a√(n² + nm + m²)/π で表される。カイラル指数(10, 10)のナノチューブの直径はどれに最も近いか。
  2. グラフェンの構造と性質についての説明として正しいものはどれか。
  3. CdSe量子ドット(バルクのバンドギャップ1.74 eV)で、閉じ込めによるエネルギーの増加が半径Rの2乗に反比例するという簡単なモデルを仮定し、R = 3.0 nm のとき0.30 eVだったとする。R = 2.0 nm の量子ドットの実効的なバンドギャップはどれに最も近いか。電子と正孔のクーロン相互作用は無視する。
  4. ナノ材料の作製法は、大きな材料を細かくするトップダウン法と、原子や分子を組み上げるボトムアップ法に分けられる。ボトムアップ法にあたるものはどれか。
  5. ホットインジェクション法(高温の溶媒に前駆体を一気に注入する方法)で、粒径のそろった(単分散の)ナノ粒子が得られやすい理由として正しいものはどれか。