生体材料
生体適合性の考え方、生体不活性・生体活性・生体吸収性のセラミックス、チタンとβ型チタン合金、オッセオインテグレーション、応力遮蔽と多孔質化、超弾性、生分解性高分子とマグネシウムを3択問題で学べます。
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生体材料の要点
生体材料は、体の中や表面で生体と接しながら機能を果たす材料です。生体適合性は材料だけで決まる性質ではなく、用途に応じた適切な生体の反応を伴って働けるかで判断します。セラミックスは、体内でほとんど反応しないアルミナやジルコニアのような生体不活性な材料、骨と結合するハイドロキシアパタイトや生体活性ガラス、吸収されて骨に置き換わる β-TCP などに分けられます。
骨を支えるインプラントには、耐食性に優れて骨と直接接するチタンや Ti-6Al-4V、Co-Cr 合金が使われます。骨よりはるかに硬い金属が荷重を受け持つと、骨への刺激が減って骨がやせる応力遮蔽が起こるので、ヤング率の低いβ型チタン合金や多孔質の金属が開発されています。役目を終えたら消える部材には、加水分解で分解されるポリ乳酸などの生分解性高分子や、体液中で腐食するマグネシウム合金が使われます。
生体材料の問題一覧(15問)
- 生体材料の生体適合性の考え方として正しいものはどれか。
- 骨と直接化学的に結合する、生体活性なセラミックスはどれか。
- ハイドロキシアパタイト Ca₁₀(PO₄)₆(OH)₂ の Ca/P のモル比はどれか。
- 歯科用インプラントなどで、純チタンについて言われるオッセオインテグレーションの説明として正しいものはどれか。
- 人工股関節のステムに、骨よりはるかにヤング率の高い金属を使ったとき問題になる応力遮蔽の説明として正しいものはどれか。
- 皮質骨(ヤング率20 GPa)と、同じ断面積の Ti-6Al-4V(ヤング率110 GPa)の棒が平行に接合され、長さ方向に一緒に引張荷重を受けている。両者のひずみが等しいとき、全荷重のうち骨が受け持つ割合はどれに最も近いか。
- Ti-Nb-Ta-Zr 系のようなβ型チタン合金が、骨を固定するインプラント用に開発されてきた主な理由はどれか。
- 開いた気孔をもつ多孔質のチタンのヤング率を、ギブソン・アシュビーの式 E* = Es(ρ*/ρs)² で見積もる。緻密なチタンのヤング率を Es = 110 GPa、気孔率を60%とすると、E* はどれに最も近いか。ρ*/ρs は相対密度とする。
- 歯列矯正のワイヤやステントに使われる Ni-Ti 合金(約50 at%Ni)の超弾性の仕組みとして正しいものはどれか。使用温度は逆変態終了温度Afより高いとする。
- イットリア部分安定化ジルコニア(Y-TZP)の人工股関節の骨頭で問題になった低温劣化についての説明として正しいものはどれか。
- 人工関節の固定に使う PMMA(ポリメタクリル酸メチル)の骨セメントについての説明として正しいものはどれか。
- 吸収性の縫合糸や骨固定ピンに使われるポリ乳酸(PLA)が、体内で分解される主な反応はどれか。
- L体だけからなる結晶性のポリ-L-乳酸(PLLA)の骨固定ピンは、体内で完全に吸収されるまでに数年かかる。分解を速くする方法として正しいものはどれか。
- 生分解性高分子の数平均分子量Mnが、加水分解によって Mn(t) = Mn₀exp(−kt) に従って下がるとする。k = 0.030 day⁻¹ のとき、Mn が初めの値の20%になるまでの日数はどれに最も近いか。
- 生分解性金属として研究されているマグネシウムは、体液の中で Mg + 2H₂O → Mg(OH)₂ + H₂ のように腐食する。0.10 g のマグネシウムのねじがすべて腐食したとき、発生する水素の体積はどれに最も近いか。Mg のモル質量を24.31 g/mol、37℃・1 atm での気体のモル体積を25.4 L/mol とする。