生体材料
Ti-Nb-Ta-Zr 系のようなβ型チタン合金が、骨を固定するインプラント用に開発されてきた主な理由はどれか。
- ABCCのβ相を室温まで残すとヤング率を Ti-6Al-4V より低くでき、応力遮蔽を減らせる
- Bβ相はHCP構造で原子の結合が強く、ヤング率を Ti-6Al-4V より高くしてインプラントの変形を防げる
- Cβ相にするとチタン表面の不動態皮膜ができなくなり、骨と化学的に結合しやすくなる
答えと解説を見る
正解:A. BCCのβ相を室温まで残すとヤング率を Ti-6Al-4V より低くでき、応力遮蔽を減らせる
チタンは低温でHCPのα相、高温でBCCのβ相をとり、Nb、Ta、Mo などのβ安定化元素を多く加えると、室温でもβ相が残ります。β型合金はヤング率が約55〜80 GPa と、α+β型の Ti-6Al-4V(約110 GPa)より低く、骨(約10〜30 GPa)に近づくので、応力遮蔽を減らせます。また、Nb、Ta、Zr は細胞毒性が低いとされ、V や Al を使わずにすむ利点もあります。HCP なのはα相のほうで、β相をHCPとするのは結晶構造の取り違えです。インプラントの剛性を上げることは、応力遮蔽を強める方向です。β型合金も表面に不動態皮膜をつくって耐食性を保ち、皮膜がなくなれば溶出が増えるだけで骨との結合にはつながりません。