生体材料

人工股関節のステムに、骨よりはるかにヤング率の高い金属を使ったとき問題になる応力遮蔽の説明として正しいものはどれか。

  1. A荷重の大部分を骨が受け持つため、骨に過大な応力がかかって骨折しやすくなる
  2. B荷重の大部分をインプラントが受け持ち、周りの骨にかかる応力が減るため、骨が吸収されてやせる
  3. Cインプラント表面の不動態皮膜が応力で壊れて、金属イオンの溶出が増える
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正解:B. 荷重の大部分をインプラントが受け持ち、周りの骨にかかる応力が減るため、骨が吸収されてやせる

骨とインプラントが一緒に荷重を受けると、両者はほぼ同じだけひずむので、ヤング率の大きいほうが応力の大部分を受け持ちます。皮質骨のヤング率は約10〜30 GPa ですが、Co-Cr 合金は約210 GPa、Ti-6Al-4V は約110 GPa と大きいので、骨にかかる応力は本来より小さくなります。骨は受ける力学的な刺激に応じて形成と吸収のバランスを変える(ウォルフの法則)ので、刺激が減った部分では骨が吸収されてやせ、インプラントのゆるみや周りの骨折の原因になります。骨に過大な応力がかかるのは逆の状況です。不動態皮膜の損傷による金属イオンの溶出は、フレッティング腐食などの別の問題です。

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