磁性材料
強磁性体の粒子を数µmからnmの大きさまで小さくしていくとき、粒子の保磁力の変化として正しいものはどれか。
- A保磁力は結晶磁気異方性だけで決まる物性値なので、粒径によらずほぼ一定である
- B粒子が小さいほど磁壁が減って反転しにくくなるので、nmの大きさまで単調に大きくなり続ける
- C単磁区になる臨界径の付近で最大になり、さらに小さくすると超常磁性になって0に近づく
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正解:C. 単磁区になる臨界径の付近で最大になり、さらに小さくすると超常磁性になって0に近づく
大きな粒子は多数の磁区をもち、磁化の反転は弱い磁界でも動く磁壁の移動で起こるので、保磁力は小さくなります。粒子を小さくすると磁壁が減り、臨界径より小さくなると磁壁をもたない単磁区粒子になります。単磁区粒子の磁化を反転させるには、磁気異方性に逆らって磁化全体を回転させる必要があるので、保磁力はこの付近で最大になります。さらに小さくすると、反転のエネルギー障壁KVが熱エネルギーに比べて小さくなり、磁化が熱で勝手に反転する超常磁性になって、保磁力は0に近づきます。保磁力は異方性だけでなく粒径や組織に強く依存するので一定ではなく、臨界径より小さい範囲では単調に増えることもありません。磁気記録媒体の粒子設計は、この上限と下限の間で行われます。