磁性材料

体積Vの単磁区粒子の磁化が熱で反転するときのエネルギー障壁をKV(Kは磁気異方性定数)とし、測定時間を100 s程度とすると KV = 25kT が超常磁性になる境目の目安である。K = 1.1×10⁴ J/m³、温度300 K、ボルツマン定数 k = 1.38×10⁻²³ J/K として、超常磁性になる球形粒子の直径の上限はどれに最も近いか。

  1. A約9 nm
  2. B約13 nm
  3. C約26 nm
答えと解説を見る

正解:C. 約26 nm

境目の体積は V = 25kT/K = 25 × 1.38×10⁻²³ × 300/(1.1×10⁴) ≈ 9.4×10⁻²⁴ m³ です。球の体積 V = πd³/6 から d = (6V/π)^(1/3) ≈ 2.6×10⁻⁸ m となり、直径約26 nm 以下の粒子が超常磁性になります。約13 nm は半径を求めて、そのまま直径として答えた値、約9 nm は係数25を落として KV = kT とした値です。25という係数は、反転の試行時間を約10⁻⁹ s として ln(100 s/10⁻⁹ s) ≈ 25 から来ています。直径はKの1/3乗に反比例するので、異方性の大きい材料ほど小さな粒子でも磁化を安定に保てます。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

磁性材料のほかの問題

  1. Fe-約78%Niのパーマロイが、きわめて高い透磁率を示す主な理由はどれか。
  2. 変圧器の鉄心に使う方向性電磁鋼板(Fe-約3%Si)が、圧延方向に磁化したときに特に損失が小さく透磁率が高い理由として正しいものはどれか。
  3. 電磁鋼板の渦電流損失は、板厚t、周波数f、最大磁束密度Bmを使って t²f²Bm² に比例するとする(電気抵抗率は同じ)。同じ周波数と磁束密度で、板厚を0.50 mmから0.35 mmに薄くすると、渦電流損失は元の約何倍になるか。
  4. 電気抵抗率4.8×10⁻⁷ Ω·m、比透磁率5000の電磁鋼板に50 Hzの交流磁界をかける。表皮深さ δ = √(2ρ/(ωµ)) はどれに最も近いか。ω = 2πf、µ = µᵣµ₀、µ₀ = 4π×10⁻⁷ H/m とする。
  5. 永久磁石の減磁曲線で、磁束密度Bを0にする逆磁界の大きさを保磁力 HcB、磁化Mを0にする逆磁界の大きさを固有保磁力 HcJ とする。B = µ₀(H + M) の関係から、両者の大小関係として正しいものはどれか。