高温材料とクリープ

金属の酸化皮膜のピリング・ベドワース比(PBR、酸化物の体積と、それをつくるのに使われた金属の体積の比)を PBR = (M_ox ρ_M)/(n M_M ρ_ox) で求める(Mはモル質量、ρは密度、nは酸化物の化学式1つに含まれる金属原子の数)。マグネシウム(24.31 g/mol、1.74 g/cm³)と MgO(40.30 g/mol、3.58 g/cm³、n = 1)について、PBRと皮膜の性質の組み合わせとして正しいものはどれか。

  1. A約1.24で、皮膜に適度な圧縮応力がかかり、金属を覆う保護的な皮膜になる
  2. B約0.81で、1より小さいので皮膜は緻密に縮んで、金属をよく保護する
  3. C約0.81で、皮膜が金属の表面を覆いきれずに割れやすく、保護的になりにくい
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正解:C. 約0.81で、皮膜が金属の表面を覆いきれずに割れやすく、保護的になりにくい

PBR = (40.30 × 1.74)/(1 × 24.31 × 3.58) = 70.1/87.0 ≈ 0.81です。PBRが1より小さいと、酸化物の体積が消費された金属の体積より小さく、皮膜には引張の応力がかかって割れたり隙間ができたりして、酸素が金属まで届きやすくなります。1〜2程度では皮膜が金属を隙間なく覆いやすく、Al₂O₃(PBR ≈ 1.29)をつくるアルミニウムのように保護的になりやすい一方、2を大きく超えると圧縮の応力が大きくなりすぎて、はがれやすくなります。約1.24は分子と分母を逆にした値です。PBRはあくまで目安で、保護性は皮膜の中の拡散の速さや密着性にも左右されます。

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