破壊力学と疲労
グリフィスの理論、き裂先端の応力集中と塑性域、破壊のモード、破面の見方、疲労き裂の発生と進展、パリス則、平均応力の補正、マイナー則による寿命の見積もりを3択問題で確認できます。
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破壊力学と疲労の要点
材料の実際の強度が理論強度よりはるかに低いのは、微小なき裂の先端に応力が集中するからです。グリフィスは、き裂が伸びるときに解放される弾性エネルギーが、新しい表面をつくるエネルギーを上回ると破壊が進むと考えました。金属では、き裂先端の塑性変形で消費される仕事がはるかに大きく、破壊のしやすさは応力拡大係数Kとその臨界値で整理されます。
繰り返しの負荷では、降伏応力より低い応力でも表面のすべりからき裂が生まれ、1サイクルごとに少しずつ進みます。進展速度は応力拡大係数の範囲ΔKで決まり、中間の領域はパリス則で表せます。設計では、平均応力の影響をグッドマン線図で補正し、変動する荷重による損傷をマイナー則で足し合わせて、寿命を見積もります。
破壊力学と疲労の問題一覧(15問)
- 完全な結晶の理論強度はヤング率の10分の1程度と見積もられるが、ガラスなどの脆い材料の実際の破壊強度は、その数十分の一から数百分の一にとどまることが多い。主な理由はどれか。
- 広い板の中にある楕円形の穴(長軸方向の半径 a = 1.0 mm、長軸の端の曲率半径 ρ = 0.040 mm)に、長軸に垂直な向きに100 MPaの引張応力がかかっている。穴の端の最大応力を σmax = σ₀(1 + 2√(a/ρ)) で見積もるとどれに最も近いか。
- ガラス(ヤング率 E = 70 GPa、表面エネルギー γs = 1.0 J/m²)に、長さ a = 1.0 µm の表面き裂がある。グリフィスの式 σf = √(2Eγs/(πa)) で見積もった破壊応力はどれに最も近いか。
- き裂の変形様式(モード)のうち、モードIについての説明として正しいものはどれか。
- 鋼のような延性のある金属で、き裂が進むのに必要なエネルギー(臨界エネルギー解放率 G_c)は、表面エネルギーから見積もった 2γs(数J/m²程度)より桁違いに大きい。主な理由はどれか。
- 降伏応力500 MPaの鋼で、き裂先端の応力拡大係数が K = 30 MPa·√m である。平面応力の塑性域の大きさ(き裂先端からの距離)を r_p = (1/2π)(K/σy)² で見積もるとどれに最も近いか。
- 破断面を走査電子顕微鏡で観察したときの特徴と、破壊の種類の組み合わせとして正しいものはどれか。
- 表面が滑らかな金属材料に、降伏応力より低い応力振幅を繰り返しかけたときの疲労き裂の発生についての説明として正しいものはどれか。
- 疲労で破断した部品の破面に、肉眼で見える貝殻状の模様(ビーチマーク)と、電子顕微鏡で見える細かい縞(ストライエーション)があった。これらの説明として正しいものはどれか。
- 両振りの疲労限度が σw = 300 MPa、引張強さが σB = 800 MPa の鋼に、平均応力 σm = 200 MPa の繰返し応力をかける。修正グッドマンの関係 σa = σw(1 − σm/σB) を使うと、疲労限度にあたる応力振幅はどれに最も近いか。
- 鋼の部品の疲労強度を高める表面の処理として、効果が期待できるものはどれか。
- ある鋼の部品は、応力振幅 σ₁ では1.0×10⁵ 回、σ₂ では1.0×10⁶ 回で疲労破壊する。σ₁ で4.0×10⁴ 回使ったあと、σ₂ で使い続ける。マイナー則(Σn/N = 1 で破壊)で見積もった残りの寿命はどれに最も近いか。
- 低サイクル疲労(破断までの繰返し数がおよそ10⁴回以下)についての説明として正しいものはどれか。
- 疲労き裂の進展速度 da/dN を、応力拡大係数の範囲 ΔK に対して両対数で描いた曲線についての説明として正しいものはどれか。
- ある鋼板の疲労き裂の進展は、パリス則 da/dN = C(ΔK)ᵐ(C = 1.0×10⁻¹²、da/dN の単位は m/cycle、ΔK の単位は MPa·√m、m = 4)で表せ、ΔK = Δσ√(πa)(形状係数1)とする。応力範囲 Δσ = 200 MPa の繰返しで、き裂の長さが1.0 mmから5.0 mmまで進む回数はどれに最も近いか。この間の ΔK(約11〜25 MPa·√m)は下限界値より十分大きく、パリス則が成り立つ範囲にあるとする。