破壊力学と疲労

完全な結晶の理論強度はヤング率の10分の1程度と見積もられるが、ガラスなどの脆い材料の実際の破壊強度は、その数十分の一から数百分の一にとどまることが多い。主な理由はどれか。

  1. A実際の材料では、原子間の結合力そのものが、理論で想定した値の数十分の一程度しかないから
  2. B材料の中や表面にある微小なき裂の先端に応力が集中し、局所的に理論強度に達するから
  3. C荷重とともに断面積が小さくなり、真応力が公称応力の何十倍にもなって理論強度に達するから
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正解:B. 材料の中や表面にある微小なき裂の先端に応力が集中し、局所的に理論強度に達するから

理論強度は、原子面どうしを一度に引き離すのに必要な応力で、E/10 程度(ガラスでは約7 GPa)になります。グリフィスは、実際の材料には微小なき裂があり、その先端では応力が集中して局所的に理論強度に達するため、平均の応力がずっと低くても破壊が始まると考えました。作りたてで表面に傷のないガラス繊維の強度が数GPaに達することが、この考えを支えています。結合力そのものは理論強度の見積もりにすでに入っていて、想定より小さいわけではありません。真応力と公称応力の差は、くびれが出る延性材料の話で、脆い材料の強度の低さの説明にはなりません。

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