破壊力学と疲労

鋼のような延性のある金属で、き裂が進むのに必要なエネルギー(臨界エネルギー解放率 G_c)は、表面エネルギーから見積もった 2γs(数J/m²程度)より桁違いに大きい。主な理由はどれか。

  1. Aき裂先端で塑性変形が起こり、その塑性仕事として多くのエネルギーが消費されるから
  2. B金属の表面エネルギーが、セラミックスの数千倍も大きいから
  3. C金属にはき裂がほとんどなく、グリフィスの考えが当てはまらないから
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正解:A. き裂先端で塑性変形が起こり、その塑性仕事として多くのエネルギーが消費されるから

オロワンとアーウィンは、グリフィスの考えを金属に広げ、き裂が進むのに必要なエネルギーを G_c = 2γs + γp と表しました。γp はき裂先端の塑性域で消費される塑性仕事で、延性のある鋼では10⁴ J/m² を超え、2γs よりはるかに大きくなります。金属の表面エネルギーはおよそ1〜3 J/m² で、セラミックスと桁が変わるほどの違いはありません。金属にも介在物やき裂があり、グリフィスのエネルギーの収支は、塑性仕事を加えた形でそのまま土台として使われています。ガラスのように塑性変形しにくい材料では、G_c は 2γs と同じ桁の小さな値になります。

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