薄膜・表面・ナノ材料

表面エネルギー、均一・不均一核生成と臨界核半径、薄膜の成長様式、膜の熱応力、比表面積や量子サイズ効果などナノ材料の特徴を3択問題で学べます。

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熱膨張と熱応力 →

薄膜・表面・ナノ材料の要点

表面や界面の原子は結合の一部を失っているため、余分なエネルギー(表面エネルギー、界面エネルギー)をもちます。新しい相の核ができるときは、体積の自由エネルギーの低下と界面エネルギーの増加が競合し、臨界核半径 r* = −2γ/ΔGv を超えた核だけが成長します。基板や壁の上での不均一核生成は、エネルギー障壁が小さくなります。

薄膜は、表面エネルギーの釣り合いと格子不整合によって、層状、島状、層状のあと島状の様式で成長します。基板との熱膨張の差は σ = EΔαΔT/(1 − ν) の熱応力を生み、反りや剥離、配線の不良の原因になります。粒子をナノサイズにすると比表面積が増え、量子サイズ効果やオストワルド成長が目立つようになります。

薄膜・表面・ナノ材料の問題一覧(12問)

  1. 金属結晶の表面エネルギーについての説明として正しいものはどれか。
  2. 均一核生成で、半径rの球状の核ができるときの自由エネルギー変化を ΔG = (4/3)πr³ΔGv + 4πr²γ とする。界面エネルギー γ = 0.10 J/m²、単位体積あたりの自由エネルギー変化 ΔGv = −2.0×10⁸ J/m³ のとき、臨界核半径 r* はどれに最も近いか。
  3. 不均一核生成で、核と基板の接触角をθとすると、臨界核の生成に必要なエネルギーは均一核生成の f(θ) = (2 + cosθ)(1 − cosθ)²/4 倍になる。θ = 60° のとき f(θ) はどれに最も近いか。
  4. 同じ過冷却度で比べたとき、不均一核生成の臨界核の曲率半径は、均一核生成の臨界核半径と比べてどうなるか。
  5. 薄膜の成長様式のうち、ストランスキー・クラスタノフ(SK)成長の説明として正しいものはどれか。
  6. 基板の表面エネルギーをγs、膜の表面エネルギーをγf、膜と基板の界面エネルギーをγiとする。島状(ボルマー・ウェーバー)成長が起こりやすい条件はどれか。
  7. シリコン基板(線膨張係数2.6×10⁻⁶ K⁻¹)上のアルミニウム膜(ヤング率70 GPa、ポアソン比0.35、線膨張係数23×10⁻⁶ K⁻¹)を、応力のない125℃から25℃まで冷却した。基板は十分に厚いとして、膜に生じる熱応力 σ = EΔαΔT/(1 − ν) の向きと大きさはどれか。
  8. シリコン基板の上に高温で熱酸化膜(SiO₂、線膨張係数約0.5×10⁻⁶ K⁻¹)をつくり、室温まで冷却した。シリコンの線膨張係数を約2.6×10⁻⁶ K⁻¹とすると、熱膨張の差によって酸化膜に生じる応力はどれか。
  9. 球状の粒子の直径を1 µmから10 nmに小さくすると、単位体積あたりの表面積(比表面積)は何倍になるか。
  10. CdSeなどの半導体ナノ結晶(量子ドット)の粒径を小さくすると、発光の色はどう変わるか。
  11. 真空蒸着を高真空(例えば10⁻⁴ Pa程度)で行う主な理由として正しいものはどれか。
  12. 母相の中に大きさの異なる析出物の粒子が分散している合金を高温で長時間保持したときに起こる、オストワルド成長(オストワルド熟成)の説明として正しいものはどれか。

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