計算材料科学
LDAやGGAの交換相関汎関数を使った標準的なDFT計算の結果の傾向として正しいものはどれか。
- A半導体や絶縁体のバンドギャップを実験値よりおおむね大きく見積もる傾向があり、シリコンではGGAで約2 eVになる
- B半導体や絶縁体のバンドギャップを実験値より小さく見積もる傾向があり、シリコンではGGAで約0.6 eVになる
- C0 Kの基底状態だけでなく、有限温度の自由エネルギーや融点も、構造を1回最適化するだけで直接得られる
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正解:B. 半導体や絶縁体のバンドギャップを実験値より小さく見積もる傾向があり、シリコンではGGAで約0.6 eVになる
LDAやGGAでは、コーン・シャム方程式の固有値の差からバンドギャップを読むと、実験値より小さくなることがよく知られています。シリコンではGGAで約0.6 eVと、実験値1.12 eVのおよそ半分で、大きく見積もるとする説明は傾向が逆です。正確な値が必要なときは、ハイブリッド汎関数やGW近似を使います。一方、格子定数、弾性率、形成エネルギーのような基底状態の全エネルギーに関わる量は、多くの物質でよい精度で求まります。通常のDFTは0 Kの基底状態の計算なので、有限温度の性質を得るには、格子振動(フォノン)の計算や分子動力学を組み合わせる必要があります。また、標準的な汎関数はファンデルワールス力をうまく表せないので、層状物質や吸着では補正を加えます。