オリビン型構造とは

おりびんがたこうぞう

かんらん石と同じ構造で、正極のLiFePO₄がとる。PO₄の強い共有結合で熱的に安定だが、Li⁺の拡散は1次元で電子伝導性も低い。

「オリビン型構造」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(電池・エネルギー材料など)。

この用語の分野: 電池・エネルギー材料

オリビン型構造の練習問題に挑戦

オリビン型の正極材料 LiFePO₄ で、Fe²⁺/Fe³⁺ の反応によりリチウムがすべて出入りするとしたときの理論容量はどれに最も近いか。LiFePO₄ の式量を157.8 g/mol、ファラデー定数を96485 C/molとし、1 mAh = 3.6 C とする。

  1. A約170 mAh/g
  2. B約85 mAh/g
  3. C約340 mAh/g
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正解:A. 約170 mAh/g

LiFePO₄ 1 mol から Li⁺ 1 mol が抜け、Fe²⁺ が Fe³⁺ に酸化されるので、移動する電子は1 mol です。理論容量は Q = nF/(3.6M) = 1 × 96485 / (3.6 × 157.8) ≈ 170 mAh/g になります。約340 mAh/g は、反応する電子を2個と数えた誤りで、Fe²⁺ から Fe³⁺ への変化は電子1個です。約85 mAh/g は、途中で2で割ってしまった値です。LiFePO₄ は実際に理論値に近い160 mAh/g 程度まで使えますが、平均電圧が約3.4 V と低めなので、質量あたりのエネルギーは層状の酸化物の正極より小さくなります。

オリビン型の LiFePO₄ 正極の特徴として正しいものはどれか。

  1. ALi⁺ は層の間を2次元的に動き、充電で Li を半分以上抜くと層の構造が不安定になる
  2. Bスピネル型で3次元の Li⁺ の通り道をもち、Mn の溶出による容量低下が課題になる
  3. CP–O の強い結合で酸素を放出しにくいが、電子伝導性が低いので微粒子化と炭素被覆をして使う
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正解:C. P–O の強い結合で酸素を放出しにくいが、電子伝導性が低いので微粒子化と炭素被覆をして使う

LiFePO₄ では酸素が P と強い共有結合で結ばれた PO₄ 四面体になっているため、過充電や高温でも酸素を放出しにくく、熱的な安全性に優れます。一方で、Li⁺ の拡散は1次元のトンネルに限られ、電子伝導性もきわめて低いので、粒子を100 nm 程度まで小さくし、表面を炭素で覆って使います。Li⁺ が層の間を2次元的に動き、Li を約半分以上抜くと構造が不安定になるのは、層状岩塩型の LiCoO₂ の特徴です。3次元の通り道をもち、Mn の溶け出しが課題になるのはスピネル型の LiMn₂O₄ です。

解説の中の「オリビン型構造」

「オリビン型構造」が出てくる問題(3問)

  1. オリビン型の正極材料 LiFePO₄ で、Fe²⁺/Fe³⁺ の反応によりリチウムがすべて出入りするとしたときの理論容量はどれに最も近いか。LiFePO₄ の式量を157.8 g/mol、ファラデー定数を96485 C/molとし、1 mAh = 3.6 C とする。
  2. オリビン型の LiFePO₄ 正極の特徴として正しいものはどれか。
  3. リチウムイオン電池の正極材料と結晶構造の組み合わせとして正しいものはどれか。

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