ショックレー・クワイサー限界とは
しょっくれーくわいさーげんかい
単接合の太陽電池の理論効率の上限。バンドギャップ未満の光の透過と熱化損失の兼ね合いで、地上の太陽光では約1.34 eVで最大約33%になる。
「ショックレー・クワイサー限界」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(電池・エネルギー材料など)。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
しょっくれーくわいさーげんかい
単接合の太陽電池の理論効率の上限。バンドギャップ未満の光の透過と熱化損失の兼ね合いで、地上の太陽光では約1.34 eVで最大約33%になる。
「ショックレー・クワイサー限界」は、1分野の1問の練習問題に出てきます(電池・エネルギー材料など)。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
1961年にショックレーとクワイサーは、太陽電池を、太陽の光を受け取り、自分も温度に応じた光を放つ物体として扱い、光の出入りのつり合い(詳細つり合い)から効率の上限を求めました。仮定は、バンドギャップ以上のエネルギーの光子はすべて吸収されて1組の電子・正孔をつくる、再結合は光を放つ放射再結合だけ、キャリアはすぐにバンドの端まで冷える、というものです。欠陥による再結合や抵抗の損失がない理想の電池でも、放射再結合という避けられない損失が残ることを示した点が重要です。
バンドギャップ Eg より小さいエネルギーの光子は吸収されず、透過して失われます。一方、Eg より大きな光子は吸収されますが、余ったエネルギーは電子がバンドの端まで落ちるあいだに熱になって失われます(熱化)。例えば2.5 eVの光子を1.1 eVのギャップで吸収すると、1.4 eVが熱になります。ギャップを小さくすれば多くの光を吸収できますが電圧が下がり、大きくすれば電圧は上がりますが吸収できる光が減ります。この兼ね合いで、地上の太陽光(AM1.5)では約1.34 eVで最大の約33%になります。
ショックレー・クワイサー限界は、熱機関のカルノー効率のような、太陽光のエネルギー変換すべての上限ではありません。単接合、1個の光子から1組のキャリア、集光なしなどの仮定のもとでの上限で、仮定を外せば超えられます。ギャップの違う電池を重ねた多接合の太陽電池は、それぞれの光を得意な層で吸収して熱化を減らし、集光した条件では40%を大きく超える効率が報告されています。また、シリコン(1.12 eV)はこの限界の最大に近い位置にありますが、間接遷移で吸収が弱く厚い層が要るため、オージェ再結合が避けられない主な損失になり、実際の上限は約29%と見積もられています。
限界の曲線は、新しい太陽電池材料を評価する物差しになります。ペロブスカイト太陽電池でバンドギャップが約1.5〜1.6 eVの材料が多く使われるのは、限界の最大に近い範囲だからです。実際の電池の開放電圧、短絡電流、曲線因子のそれぞれを、同じギャップでの限界の値と比べると、どこに損失があるかがわかります。特に開放電圧の不足は、光を出さない再結合が多いことを示します。シリコンの上にギャップの大きいペロブスカイトを重ねたタンデム電池は、単接合の限界を超える効率をねらって開発が進んでいます。
正解:A. バンドギャップが小さいと電圧が低く余分なエネルギーが熱になり、大きいと吸収できない光子が増える
光子はバンドギャップ Eg 以上のエネルギーをもつときだけ吸収され、Eg を超えた分のエネルギーはキャリアが格子に熱として渡してしまいます(熱化損失)。さらに、開放電圧は Eg/q を超えられません。Eg が小さいと吸収できる光子は増えますが、1個あたりに取り出せるエネルギーが小さくなり、Eg が大きいと電圧は高くなる一方で、Eg より低いエネルギーの光子を吸収できず透過させてしまいます。この兼ね合いで、ショックレー・クワイサーの理論効率は、地上の標準的な太陽光(AM1.5)のもとで約1.1〜1.4 eV の範囲で約32〜33%と高く、約1.34 eV で最大の約33%になります。Eg が大きいほど吸収が増えるという説明は逆です。太陽光の強さは波長によって大きく変わり、一定ではありません。
地上の太陽光のスペクトル(AM1.5)では、バンドギャップ約1.34 eVで最大約33%です。1961年の元の論文では太陽を6000 Kの黒体として計算し、約1.1 eVで約30%とされていました。
バンドギャップの異なる電池を重ね、短い波長の光はギャップの大きな上の層、長い波長の光はギャップの小さな下の層で吸収させるので、熱化と透過の損失を同時に減らせるからです。
光を強くすると電流は比例して増え、開放電圧も光の強さの対数に比例して上がるので、効率が上がります。理想的な最大の集光では、単接合でも上限は約40%まで上がります。
この兼ね合いで、ショックレー・クワイサーの理論効率は、地上の標準的な太陽光(AM1.5)のもとで約1.1〜1.4 eV の範囲で約32〜33%と高く、約1.34 eV で最大の約33%になります。
単接合の太陽電池で、吸収層の半導体のバンドギャップに理論効率が最大になる最適値(地上の太陽光のもとで約1.1〜1.4 …