熱電性能指数とは
ねつでんせいのうしすう
熱電材料の変換性能を表す無次元の値 ZT = S²σT/κ。ゼーベック係数と電気伝導率が高く、熱伝導率が低いほど大きい。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
ねつでんせいのうしすう
熱電材料の変換性能を表す無次元の値 ZT = S²σT/κ。ゼーベック係数と電気伝導率が高く、熱伝導率が低いほど大きい。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
S はゼーベック係数で、温度差1 Kあたりに生じる電圧です。σ は電気伝導率、κ は熱伝導率、T は絶対温度です。分子の S²σ は出力因子と呼ばれ、材料から取り出せる電力の大きさの目安になります。分母の κ が小さいほど、高温側と低温側の温度差を保ちやすくなります。単位は S²σT/κ で打ち消し合い、ZT は無次元になります。たとえば S = 200 µV/K、σ = 1.0×10⁵ S/m、κ = 1.5 W/(m·K) の材料では、300 Kで ZT = 0.8 です。
熱電発電の最大効率は、高温側と低温側の温度で決まるカルノー効率に、ZT で決まる係数を掛けた形で表されます。ZT が大きいほど効率はカルノー効率に近づきますが、ZT = 1 でも効率はカルノー効率の2割程度(温度の条件によって約17〜24%)です。室温付近では Bi₂Te₃ 系、中温域では PbTe 系や Mg₂Si 系、高温域では SiGe 系やシリサイド、酸化物などが研究・利用されており、使う温度域ごとに ZT の高い材料が異なります。
S、σ、κ はたがいに独立ではありません。キャリア濃度を上げると σ は増えますが S は下がり、電子が運ぶ熱伝導率もヴィーデマン・フランツの法則に従って増えます。そのため最適なキャリア濃度は、10¹⁹〜10²⁰ cm⁻³ 程度の高濃度にドープした半導体の範囲になります。そこで、電子の伝導をなるべく妨げずに、熱の多くを運ぶフォノンだけをナノ構造の界面や点欠陥、かご状の結晶の中で揺れる原子(ラットリング)で散乱させ、格子熱伝導率を下げる工夫が行われています。
金属は電気伝導率が高い一方で、ゼーベック係数が数 µV/K と小さく、電子による熱伝導率も大きいので ZT がきわめて小さくなります。熱電材料には、高濃度にドープした半導体が使われます。
変わります。S、σ、κ はいずれも温度に依存し、ZT の式自体にも T が入っています。材料ごとに ZT が最大になる温度域があるので、使う温度に合わせて材料を選びます。
関係します。熱電冷却(ペルチェ素子)の成績係数も ZT が大きいほど高くなり、発電と冷却のどちらでも ZT が材料の性能の指標になります。
オリビン型構造 固体高分子形燃料電池 固体電解質 ショックレー・クワイサー限界 スピネル型構造 層状岩塩型構造 理論容量