理論容量とは
りろんようりょう
電極材料が蓄えられる電気量の上限を質量あたりで表した値。Q = nF/(3.6M) mAh/g で求め、黒鉛は372 mAh/gになる。
「理論容量」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(電池・エネルギー材料など)。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
りろんようりょう
電極材料が蓄えられる電気量の上限を質量あたりで表した値。Q = nF/(3.6M) mAh/g で求め、黒鉛は372 mAh/gになる。
「理論容量」は、1分野の3問の練習問題に出てきます(電池・エネルギー材料など)。
この用語の分野: 電池・エネルギー材料
電極材料1 molが反応して n mol の電子をやり取りすると、流れる電気量は nF クーロンです(F はファラデー定数96485 C/mol)。これを式量 M で割ると質量あたりの電気量になり、1 mAh = 3.6 C で換算すると Q = nF/(3.6M) mAh/g が得られます。黒鉛では C₆(72.06 g/mol)1 molにLi⁺が1個入るので372 mAh/g、LiCoO₂ ではLiを1個すべて抜くと約274 mAh/g です。分母に何の質量を使ったかで値が変わるので、どの状態の質量あたりかを確かめることが大切です。
計算上の理論容量のすべてを使えるとは限りません。層状のLiCoO₂ では、Liを半分ほどより多く抜くと結晶構造が不安定になり、酸素の放出や相転移で劣化が進むので、実用の容量は約140〜150 mAh/g と理論値の約半分にとどまってきました。反対に、黒鉛やLiFePO₄ は理論値に近い容量まで使えます。初回の充電では負極の表面に SEI の被膜ができてリチウムの一部が失われるため、電池として取り出せる容量はさらに少し小さくなります。
電池に蓄えられるエネルギーは、容量と電圧の積です。正極と負極の電位差が大きいほど、同じ容量でも多くのエネルギーを蓄えられます。LiFePO₄ は理論容量が約170 mAh/g ありますが、平均電圧が約3.4 V と層状の酸化物(約3.7〜3.8 V)より低いので、質量あたりのエネルギーは小さくなります。また、電池全体では電解液、セパレーター、集電体、容器の質量も加わるため、セルのエネルギー密度は活物質の値から計算したものより大幅に小さくなります。
正解:C. 約372 mAh/g
C₆ 1 mol(72.06 g)に Li⁺ 1 mol と電子1 mol が入るので、蓄えられる電気量は 96485 C です。質量あたりの容量は Q = nF/(3.6M) = 1 × 96485 / (3.6 × 72.06) ≈ 372 mAh/g になります。約339 mAh/g は、分母に Li を含めた LiC₆ の質量(78.99 g/mol)を使った値で、負極の容量はふつうリチウムを含まない黒鉛の質量あたりで表します。約2230 mAh/g は、炭素原子1個にリチウム1個が入ると考えた誤りです。実際の黒鉛負極は理論値に近い約350〜360 mAh/g で使われており、これより大きな容量をねらってシリコンなどの材料が研究されています。
正解:A. 約170 mAh/g
LiFePO₄ 1 mol から Li⁺ 1 mol が抜け、Fe²⁺ が Fe³⁺ に酸化されるので、移動する電子は1 mol です。理論容量は Q = nF/(3.6M) = 1 × 96485 / (3.6 × 157.8) ≈ 170 mAh/g になります。約340 mAh/g は、反応する電子を2個と数えた誤りで、Fe²⁺ から Fe³⁺ への変化は電子1個です。約85 mAh/g は、途中で2で割ってしまった値です。LiFePO₄ は実際に理論値に近い160 mAh/g 程度まで使えますが、平均電圧が約3.4 V と低めなので、質量あたりのエネルギーは層状の酸化物の正極より小さくなります。
容量だけでは決まりません。電圧、充放電を繰り返したときの寿命、体積変化、安全性、コストも重要です。シリコンは黒鉛の約10倍の理論容量をもちますが、大きな体積変化のため単独では使いにくい材料です。
mAh/g は質量あたりに蓄えられる電気量、Wh/kg は質量あたりに蓄えられるエネルギーです。電気量に平均電圧を掛けるとエネルギーになり、mAh/g × V の値はそのまま Wh/kg の値になります。
電池の容量は、少ないほうの電極で決まります。実際の電池では、負極にリチウム金属が析出しないよう、負極の容量を正極より少し大きめに設計することが一般的です。
理論容量は Q = nF/(3.6M) = 1 × 96485 / (3.6 × 157.8) ≈ 170 mAh/g になります。
オリビン型の正極材料 LiFePO₄ で、Fe²⁺/Fe³⁺ の反応によりリチウムがすべて出入りするとしたときの理論容…Si はリチウムと合金をつくり、室温では Li₁₅Si₄ まで反応すると Si の質量あたり約3600 mAh/g と、黒鉛(372 mAh/g)の約10倍の理論容量をもちます。
負極材料としてのシリコン(Si)についての説明として正しいものはどれか。オリビン型構造 固体電解質 固体高分子形燃料電池 ショックレー・クワイサー限界 スピネル型構造 層状岩塩型構造 熱電性能指数