電池・エネルギー材料
負極材料としてのシリコン(Si)についての説明として正しいものはどれか。
- A理論容量は黒鉛より小さいが、充放電での体積の変化が1%以下とほとんどないので、寿命が長い
- B理論容量は黒鉛の約10倍だが、リチウムを吸蔵すると体積が3倍以上に膨らみ、劣化しやすい
- C理論容量は黒鉛とほぼ同じだが、電子伝導性が金属並みに高いので急速充電に向く
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正解:B. 理論容量は黒鉛の約10倍だが、リチウムを吸蔵すると体積が3倍以上に膨らみ、劣化しやすい
Si はリチウムと合金をつくり、室温では Li₁₅Si₄ まで反応すると Si の質量あたり約3600 mAh/g と、黒鉛(372 mAh/g)の約10倍の理論容量をもちます。しかし、リチウムを吸蔵すると体積が約3〜4倍にふくらむため、充放電を繰り返すと粒子が割れて電気的に孤立し、新しく現れた表面で電解液が分解して SEI(固体電解質界面の被膜)ができ直し、リチウムが失われていきます。そのため実用では、黒鉛に Si や SiO を少量混ぜたり、ナノ粒子化したりして膨張の影響を抑えます。体積変化がほとんどないのはチタン酸リチウム(Li₄Ti₅O₁₂)の特徴で、黒鉛でも約10%にとどまります。Si の電子伝導性は低く、急速充電に向くという説明も誤りです。