電池・エネルギー材料
全固体電池に用いる硫化物系の固体電解質についての説明として正しいものはどれか。
- Aイオン伝導率が有機電解液並みのものがあり、加圧だけで緻密にできるが、水分と反応して硫化水素を出す
- Bイオン伝導率は有機電解液より3桁以上低いが、大気中の水分とも反応しないほど安定なので乾燥した環境が不要である
- C硬くて変形しにくいため、1000℃を超える高温で焼結しないと粒子どうしがつながらず、Li⁺ を通さない
答えと解説を見る
正解:A. イオン伝導率が有機電解液並みのものがあり、加圧だけで緻密にできるが、水分と反応して硫化水素を出す
Li₁₀GeP₂S₁₂(LGPS)や Li₇P₃S₁₁、アルジロダイト型の Li₆PS₅Cl などの硫化物系の固体電解質には、室温で10⁻³〜10⁻² S/cm と、有機電解液(約10⁻² S/cm)に匹敵するイオン伝導率を示すものがあります。硫化物は軟らかく変形しやすいので、粉末を室温で加圧するだけで粒子どうし、電極との接触をとりやすいのも利点です。一方で、大気中の水分と反応して有毒な硫化水素を出しやすいため、乾燥した環境で扱う必要があります。高温で焼結しないと緻密にならないのは、ガーネット型の Li₇La₃Zr₂O₁₂(LLZO)などの酸化物系の特徴です。LLZO は大気中で比較的安定でリチウム金属とも反応しにくい反面、硬いので電極との界面をつくりにくいのが課題です。