電池・エネルギー材料
熱電材料の性能指数 ZT を大きくする方針として正しいものはどれか。
- Aキャリア濃度を金属並みに高くすると、ゼーベック係数と電気伝導率がともに大きくなるので ZT が大きく上がる
- B電気伝導率を下げて熱伝導率を上げると、熱が素子の中を速く伝わるので両端に温度差がつきやすくなり ZT が上がる
- Cナノ構造や重い原子でフォノンを散乱させて格子熱伝導率を下げ、電気伝導はなるべく妨げないようにする
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正解:C. ナノ構造や重い原子でフォノンを散乱させて格子熱伝導率を下げ、電気伝導はなるべく妨げないようにする
ZT = S²σT/κ を大きくするには、ゼーベック係数 S と電気伝導率 σ を高く、熱伝導率 κ を低くする必要があります。ところが、キャリア濃度を上げると σ は増えるものの S は小さくなり、電子が運ぶ熱伝導(ヴィーデマン・フランツの法則)も増えるので、最適なキャリア濃度は10¹⁹〜10²⁰ cm⁻³ 程度の縮退に近い半導体になります。金属並みにすれば S が小さくなりすぎます。そこで、熱の大部分を運ぶフォノンだけをナノ構造の界面や重い原子のラットリングで散乱させ、格子熱伝導率を下げるのが有力な方針で、「フォノンはガラスのように、電子は結晶のように」と表現されます。σ を下げて κ を上げるのは、ZT を下げる方向です。