混合エントロピーとは
こんごうえんとろぴー
原子の並べ方の数が混合で増えて生じるエントロピー。理想溶液では −R[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] で、x = 0.5 で最大になる。
「混合エントロピー」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(材料の熱力学など)。
この用語の分野: 材料の熱力学
こんごうえんとろぴー
原子の並べ方の数が混合で増えて生じるエントロピー。理想溶液では −R[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] で、x = 0.5 で最大になる。
「混合エントロピー」は、1分野の2問の練習問題に出てきます(材料の熱力学など)。
この用語の分野: 材料の熱力学
A原子 N_A 個とB原子 N_B 個を結晶の格子点に並べる方法の数は W = N!/(N_A!N_B!) で、純物質を並べる方法は1通りしかありません。ボルツマンの式 S = k ln W にスターリングの近似を使うと、1 molあたりの混合エントロピーは ΔS_mix = −R[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] になります。これは配置のエントロピーで、原子の振動や磁気によるエントロピーは含みません。x = 0.5 で最大値 R ln 2 ≈ 5.76 J/(mol·K) をとります。理想気体の混合でも同じ形の式になります。
混合エントロピーは、少量の溶質でも無視できない大きさになります。例えば x = 0.01 では ΔS_mix ≈ 0.47 J/(mol·K) で、1000 K では −TΔS_mix ≈ −470 J/mol だけギブスエネルギーを下げます。xが0に近づくと曲線の傾きは限りなく急になるので、溶けにくい元素でもごくわずかは必ず溶け、純度を極限まで上げるほど不純物の除去は難しくなります。混合エントロピーは −TΔS の形でGに効くので、温度が高いほど混合を進める力が強く、多くの合金で高温ほど固溶限が広がるのはこのためです。
等しい量のn種類の元素を混ぜると混合エントロピーは R ln n になり、5種類では R ln 5 ≈ 13.4 J/(mol·K)(約1.61R)です。2004年ごろから、多くの主要元素をほぼ同じ割合で含む合金が、高エントロピー合金として研究されています。大きな混合エントロピーが金属間化合物の生成を抑え、単純な固溶体を安定にすると考えられたのが名前の由来で、混合エントロピーが1.5R以上のものを高エントロピー合金とする定義もあります。ただし実際には、混合エンタルピーや原子の大きさの差によって、化合物や複数の相ができる例も多く見つかっています。
長い鎖の高分子どうしを混ぜると、鎖の中の原子はつながったまま動くので、並べ方の数は同じ質量の小さな分子に比べてずっと少なくなります。フローリー・ハギンスの理論では、混合エントロピーは重合度に反比例して小さくなり、そのため高分子のブレンドは、わずかな正の混合熱でも相分離しやすくなります。また、合金が規則化すると原子の位置が決まるので配置のエントロピーは小さくなり、完全に規則化すれば0になります。規則-不規則変態は、低温で有利なエンタルピーと、高温で有利な混合エントロピーの競合として理解できます。
正解:C. 約1203 K
Tc = Ω/(2R) = 20000/(2 × 8.314) ≈ 1203 K です。この式は、ΔG_mix の2階微分 −2Ω + RT/[x(1 − x)] が、対称な組成 x = 0.5 で0になる温度として求まります。Tc より低温では、ΔG_mix の曲線の中央が上に凸になって2つの極小ができ、組成の異なる2相に分かれたほうが自由エネルギーが下がります。Tc より高温では混合のエントロピーの寄与が勝ち、全組成で1相の固溶体になります。約601 K は分母を4R、約2406 K は分母をRとした値です。Ωが負(異種原子が引き合う)なら溶解度ギャップはできず、規則化や化合物の形成の傾向を示します。
理想的な2成分の混合では x = 0.5 で最大になり、その値は R ln 2 ≈ 5.76 J/(mol·K) です。n成分を等しい量ずつ混ぜた場合は R ln n で、成分の数が増えるほど大きくなりますが、増え方は対数なのでゆっくりです。
理想溶液の配置のエントロピーは組成だけで決まり、温度によりません。ただしギブスエネルギーへの寄与は −TΔS_mix なので、温度が高いほど効果が大きくなります。実在の溶液では、短範囲の規則の程度が温度で変わるので、混合エントロピーも温度で多少変わります。
必ずではありません。混ざるかどうかは混合のギブスエネルギー ΔH_mix − TΔS_mix で決まり、混合のエンタルピーが大きな正の値なら、低温では分かれたほうが安定です。理想溶液のように ΔH_mix = 0 なら、どの組成でも混ざります。
Tc より高温では混合のエントロピーの寄与が勝ち、全組成で1相の固溶体になります。
正則溶液モデルでは、混合のエンタルピーを ΔH_mix = Ωx(1 − x)(Ωは温度によらない相互作用パラメータ)…理想溶液では混合のエンタルピーが0で、ΔG_mix = −TΔS_mix は混合のエントロピーだけから生じます。
理想溶液(理想固溶体)の混合のギブスエネルギー ΔG_mix = RT[x ln x + (1 − x) ln(1 −…