材料の熱力学

理想溶液(理想固溶体)の混合のギブスエネルギー ΔG_mix = RT[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] についての説明として正しいものはどれか。xは一方の成分のモル分率とする。

  1. Aすべての組成で負で、x → 0 での傾きは負の無限大なので、ごく少量の溶質はどの物質にも溶ける
  2. B混合のエンタルピーから生じるので温度によらず一定で、組成によっては正になって相分離する
  3. Cx = 0.5 で最大の正の値になり、純物質に近い組成ほど混合しにくい
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正解:A. すべての組成で負で、x → 0 での傾きは負の無限大なので、ごく少量の溶質はどの物質にも溶ける

理想溶液では混合のエンタルピーが0で、ΔG_mix = −TΔS_mix は混合のエントロピーだけから生じます。0 < x < 1 で ln x は負なので、ΔG_mix はすべての組成で負になり、x = 0.5 で最小値 RT ln 0.5 をとります(1000 K で約 −5.76 kJ/mol)。x → 0 で傾き d(ΔG_mix)/dx = RT ln[x/(1 − x)] は負の無限大に向かうので、溶質をほんのわずか溶かすだけで必ず自由エネルギーが下がります。これが、完全に純粋な物質をつくるのが難しい熱力学的な理由です。ΔG_mix はTに比例し、エンタルピーとは無関係です。x = 0.5 で最大になるのは混合のエントロピーで、ΔG_mix はそこで最小です。

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