材料の熱力学

ΔH > 0、ΔS > 0 の反応(例えば炭酸塩の熱分解)について正しいものはどれか。ΔHとΔSは温度によらないとする。

  1. Aどの温度でも自発的に進まない
  2. B低温ほど自発的に進みやすく、ある温度より高温では進まない
  3. Cある温度より高温で自発的に進むようになる
答えと解説を見る

正解:C. ある温度より高温で自発的に進むようになる

ΔG = ΔH − TΔS で、ΔHもΔSも正のとき、低温ではΔHの項が勝って ΔG > 0 ですが、温度を上げると −TΔS の項が大きくなり、T > ΔH/ΔS で ΔG < 0 になります。気体が発生してエントロピーが増える分解反応や、固体の融解・液体の蒸発がこの型で、融点や沸点はちょうど ΔG = 0 となる温度です。低温ほど進みやすく高温で進まなくなるのは、ΔH < 0 かつ ΔS < 0 の場合で、多くの金属の酸化がこれにあたります。どの温度でも進まないのは、ΔH > 0 かつ ΔS < 0 の場合です。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

材料の熱力学のほかの問題

  1. 炭酸カルシウムの分解 CaCO₃(s) → CaO(s) + CO₂(g) の標準反応エンタルピーを ΔH° = +178 kJ/mol、標準反応エントロピーを ΔS° = +161 J/(mol·K) とし、どちらも温度によらないとする。CO₂ の分圧が1 bar の標準状態で、分解が自発的に進み始める温度(ΔG° = 0 となる温度)はどれに最も近いか。
  2. エリンガム図で、多くの金属の酸化反応 2M(s) + O₂(g) → 2MO(s) の ΔG° の直線が、温度が高いほど ΔG° が大きくなる(0に近づく)右上がりになる主な理由はどれか。
  3. エリンガム図で、炭素の反応 2C(s) + O₂(g) → 2CO(g) の直線についての説明として正しいものはどれか。
  4. エリンガム図では、どの酸化物の生成反応も O₂ 1 molあたりの ΔG° にそろえて描く。そうする主な利点はどれか。
  5. 1000℃で、4/3 Al + O₂ → 2/3 Al₂O₃ の ΔG° を −850 kJ/mol、4/3 Cr + O₂ → 2/3 Cr₂O₃ の ΔG° を −530 kJ/mol とする(どちらも O₂ 1 molあたり)。2/3 Cr₂O₃ + 4/3 Al → 2/3 Al₂O₃ + 4/3 Cr の ΔG° と、反応が進む向きの組み合わせとして正しいものはどれか。すべて純物質とする。