材料の熱力学

1000℃で、4/3 Al + O₂ → 2/3 Al₂O₃ の ΔG° を −850 kJ/mol、4/3 Cr + O₂ → 2/3 Cr₂O₃ の ΔG° を −530 kJ/mol とする(どちらも O₂ 1 molあたり)。2/3 Cr₂O₃ + 4/3 Al → 2/3 Al₂O₃ + 4/3 Cr の ΔG° と、反応が進む向きの組み合わせとして正しいものはどれか。すべて純物質とする。

  1. A−320 kJ/mol で、アルミニウムが Cr₂O₃ を還元する向きに進む
  2. B+320 kJ/mol で、クロムが Al₂O₃ を還元する向きに進む
  3. C−1380 kJ/mol で、アルミニウムが Cr₂O₃ を還元する向きに進む
答えと解説を見る

正解:A. −320 kJ/mol で、アルミニウムが Cr₂O₃ を還元する向きに進む

求める反応は、Al₂O₃ の生成の式から Cr₂O₃ の生成の式を引いたもので、O₂ が消えます。ΔG° = (−850) − (−530) = −320 kJ/mol で負なので、アルミニウムが Cr₂O₃ を還元して金属クロムを生じる向きに進みます。エリンガム図で Al₂O₃ の直線が Cr₂O₃ の直線より下にあることに対応し、アルミノテルミット法で金属クロムをつくる原理です。+320 kJ/mol は引く順序を逆にして符号を誤った値で、Al₂O₃ のほうが安定なので、クロムが Al₂O₃ を還元することはありません。−1380 kJ/mol は、2つの ΔG° を足してしまった値です。

誤りを報告

この分野を解く 分野ページへ

材料の熱力学のほかの問題

  1. 1000 K で 2Ni(s) + O₂(g) → 2NiO(s) の ΔG° が −298 kJ/mol である。Ni と NiO が共存する平衡酸素分圧はどれに最も近いか。Ni と NiO は純粋な固体(活量1)、標準圧力を1 bar、気体定数を8.314 J/(mol·K)、ln 10 = 2.303 とする。
  2. 1000 K で、2H₂(g) + O₂(g) → 2H₂O(g) の ΔG° を −385 kJ/mol、2Ni(s) + O₂(g) → 2NiO(s) の ΔG° を −298 kJ/mol とする。H₂–H₂O の混合ガス中でニッケルを焼なますとき、Ni と NiO が平衡になる分圧比 pH₂O/pH₂ はどれに最も近いか(比がこれより小さければ Ni は酸化されない)。気体定数を8.314 J/(mol·K) とし、Ni と NiO は純粋な固体とする。
  3. 溶液(液体または固溶体)の中の成分の活量についての説明として正しいものはどれか。
  4. ある温度で、純粋な Cr と Cr₂O₃ が共存する平衡酸素分圧を p₀ とする。同じ温度で、Cr の活量が0.10 の合金と純粋な Cr₂O₃ が共存する平衡酸素分圧は、p₀ の約何倍か。反応を 4/3 Cr + O₂ → 2/3 Cr₂O₃ とする。
  5. 理想溶液(理想固溶体)の混合のギブスエネルギー ΔG_mix = RT[x ln x + (1 − x) ln(1 − x)] についての説明として正しいものはどれか。xは一方の成分のモル分率とする。